看護学部の紹介

井上麻未 教授

英語

井上麻未 教授

長い伝統を持つ英語教育

 本学は100年前にルドルフ・ボリング・トイスラー博士により創立された当時、英語で授業が行われていました。創立時から国際的な学び舎であった聖路加は長い英語教育の伝統を持ち、他大学にはない本学独自のカリキュラムを組んでいます。
 このカリキュラムの中で選択英語III (Elective English III: Academic reading, presentations and cultural competencies)という科目は英語科目の集大成と言える科目の1つであり、この科目から聖路加の英語教育の全体像が見えてきます。
 ここでは、グローバルリーダーの育成を目指し、英語の看護論文を自力で読み、英語プレゼンテーションを作成し、交換留学生との授業等で実際にプレゼンテーションを行う本科目をご紹介します。

教養としての英語と医療看護英語を様々なスキルや知識をうまく組み合わせて効率よく学ぶ

 この科目は受講希望者全員が履修できる科目です。この授業では、英語の必修科目や看護学の科目で学んだことから問いを立て、さまざまな英語論文を読み自分で問いに答え、プレゼンテーションにまとめて発信します。
 上級生対象の北米での海外研修プログラムへの参加希望者の大多数がこの科目を受講しています。聖路加国際大学の英語の必修科目では、教養としての英語と医療看護英語を様々なスキルや知識をうまく組み合わせて効率よく学ぶこと、そしてそれらを実際の場面で使ってみるという方針のもと授業を行っています。
 具体的には、リーディングスキルを高めながら好きな本を自由に選び読む多読の授業、看護医療をテーマにした小説やエッセイを原書で読む授業、臨床に必要なコミュニケーション能力を養成する看護英会話の授業(外国人模擬患者セッションを受講生全員が体験)、英語で思考し書く力を伸ばす英語表現法(アカデミックライティング)の授業、コクランにおけるシステマティックレビューを活用し看護研究の基礎を英語で学ぶ授業など、様々な英語科目が大学の4年間を通して効率よく配置されています。
 これらの英語必修科目で身につけたスキルと看護の専門科目での学びを統合し、その成果を交換留学生とのセッション等で発表するという英語での実践を積むことができるのが本科目です。

専門の先生から一対一の英語での丁寧なチュートリアル

 この科目では本学の学術情報センターのデータベースを使って自分で英語論文を探して読みます。論文を取捨選択し、選んだ論文を自力で読み進め、内容を理解する必要がありますので、英語力ももちろん必要ですが、集中力と忍耐力が必要な作業です。通常、学部の英語授業では教員が選んだ英語の看護論文の一部を授業中にみんなで講読するという授業形式が一般的ですが、ルカ生は知的好奇心にあふれていますので、それぞれ自分で選んだ論文を自分で最初から最後まで読んでみたいという希望が多く、論文選びは受講生の自主性に任せています。
 論文が難しくて理解できない時は担当教員だけでなく、アカデミックライティングデスク(AWD)という英語の論文を読んだり書いたりするためのサポートデスクが本学の図書館のラーニングコモンズの中にあり、専門の先生から一対一の英語での丁寧なチュートリアルを受けることもできますので、このAWDを積極的に活用している受講生が多いのもこの科目の特徴です。

この科目の魅力・面白さ

 この科目の魅力は、「物事を深く探究」する面白さを英語で体験し、「保健医療福祉においてリーダーシップを発揮し、協働する能力」等、本学のディプロマポリシーで挙げられているような能力を伸ばすことができているなと自分で実感できるところです。つまり、将来の仕事や研究に役立つ力をつけることができる点が魅力と言えるでしょう。この科目を履修した卒業生の多くが看護師や助産師、研究者として国内外で活躍しています。
 この科目ではプレゼンテーションを作成し実施しますが、完成まで教員がスライドを細かく添削をし、英語での質疑応答の実践練習も行います。なんとなく大変そうに聞こえますが、実はクリエイティブでとても楽しいプロセスを体験できます。この体験を通して、一生役立つ英語プレゼンテーションの基礎を学び、世界に通用する発信力を身に着けることができるのです。実際に、この科目の履修者であり米国のDuke大学での海外研修でプレゼンテーションを行ったルカ生のグループが最高点を取りトップとなりました。
 なお、毎年、この科目ではタイのマヒドン大学や韓国のヨンセイ大学の交換留学生とプレゼンテーションセッションを行っています。保健医療に関する3つほどのテーマを受講生が決め、先方の大学にそれらを送り、それぞれ共通のテーマでプレゼンテーションを作成して、授業内で発表し合います。各国の保健医療の類似点や相違点が明らかになり、交換留学生の皆さんととても有意義なディスカッションを行うことができるのです。授業の後には日本式のお茶会で交流するなど国際交流の時間も楽しんでいます。同じ職業を目指す学生同士ですので、この授業をきっかけに留学生と友情を育み、卒業後もずっと交流を続けている看護師や助産師の方が多くいます。

入学前にこの学問を学びたい方へ

 ぜひおすすめしたいのは新聞を毎日読むことです。学校や地域の図書館では読売新聞や毎日新聞、朝日新聞や日本経済新聞など様々な新聞を読むことができます。The Japan Timesなどの英字新聞も学校の図書館で読むことができるはずです。新聞にはありとあらゆる情報が詰まっています。学問はみんなつながっていますので、特定の分野の知識だけをたくさん蓄えても、それだけではその知識を将来的に活かしていくことができないのです。
 さらに新聞には国内外の実にさまざまな書籍を毎週紹介している読書欄のコーナーもあります。その中から「おもしろそう!」と思う本をどんどん読んでみてください。英語を話すだけではなく、英語で何を話すかという内容が問われるグローバル社会において、皆さんが豊かな人間関係を育み、将来リーダーとして活躍するための土台をつくることができます。