聖路加国際大学看護学部看護学科2022
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[キャリアサポート/卒業生インタビュー]「低空飛行でもいい」前に進み続ける大切さを聖路加の学びが教えてくれた 現在はアメリカの看護大学で転倒予防の研究を率い、看護教育に携わっています。在学中は、忙しい毎日、緊張する実習に大学での学びは「厳しい」と感じることが多々ありました。でも先生方はいつも身近な存在だったので、大変ながら生き生きと学んでいたように思います。聖路加時代を振り返ると、質の高い教育をのびのびと受けていたことを改めて実感します。特に、Problem Based Learning(PBL)、学生主導の看護管理の実習、卒業論文が印象に残っています。PBLでは、学生が臨床場面における看護問題を自ら提起し看護プロセスを踏むことで、患者ケアに必要な知識とスキルを学びました。ミニ病棟を運営管理していく実習は、医療システムを学ぶまたとない機会になり、姉妹校であるカルフォルニア大学サンフランシスコ校への大学院留学につながりました。聖路加での学びは、学生主導型の実習指導を、今度は私が指導することで息づいているともいえます。文化が異なっても共通する教育に対する姿勢と看護のあり方を、次の世代につなげたいと思っています。聖路加の教育の奥深さを次の世代へつなげたいVOICE01VOICE02担当している健康増進講座の学期末に学生たちと 高校生のころ、看護師を目指すなら「看護を徹底して教育してくれる日本一の大学」で学びたいと考え、合格するために一生懸命勉強したことを今でも鮮明に覚えています。看護学部のみという環境は、同級生とも先生方とも近い関係を築くことができるため、学部の4年間では悩みを共有しあったり、丁寧で真摯なアドバイスをいただいたりと看護の実践を学ぶ以外にも、私にとっては人間性を磨ける学びの場でもありました。 講義で印象に残っているのは日野原重明先生の「低空飛行でもいい」というお話です。完璧で常に向上していかなければならないのではなく、少しずつでも前に進み続けること、あきらめないことの大切さを教わりました。就職してからもずっとこの精神を胸に、患者さんのために常に前に進むことを心がけています。認定看護師としてこれからも、患者さんの声と体にしっかりと耳を傾け、一歩でも二歩でもよりよいケアや予防を提案できる看護師でありたいと思っています。卒業式の日に共に学んだ仲間たちと(左から2人目が近藤さん)多岐にわたる看護の未来、可能性Endless possibilities for the future of nursing2000年看護学部卒業喜吉 テオ 紘子オレゴン健康科学大学(OHSU)看護学部助教授KIYOSHI-TEO Hiroko 2008年看護学部卒業近藤 玲加聖路加国際病院看護管理室所属褥瘡管理者(皮膚・排泄ケア認定看護師)KONDO Reika 27St. Luke’s International University

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