聖路加国際大学看護学部看護学科2022
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本学で学んだレベルの高い知識と、優れた技術、豊かな人間性。大きく成長し、国内外のさまざまな分野へ羽ばたいた卒業生の皆さんからのメッセージをご紹介します。あなたの向学心を刺激する言葉にあふれています。看護職の活躍の場は病院以外にもたくさんあります俯瞰する目を活かし院内感染を防いでいくVOICE03VOICE04 私が所属しているのは、聖路加国際病院のQI(Quality Improvement)センターの感染管理室です。医療関連感染(=院内感染)が病院のどこで、誰に、どのくらい起きているのかを調べ、目標値を立ててそれを減らすことが私たちの使命です。一人ひとりの患者さんと向き合い、寄り添ってケアをする看護師とは異なる、病院の裏方といってもいいかもしれません。 看護の資格を持っていれば、仕事や生活に困らないと思い選んだ道でしたが、実際に看護の仕事をする中で、患者さんに寄り添うというより、少し離れたところから客観的に物事を見てしまう自分に気づいてしまったのです。そういうものの見方や考え方は看護に向いていないのではと感じ、アメリカで公衆衛生を学びました。その時に出会った、感染症診療を専門とする日本人医師がつないでくれた縁で、今こうして聖路加国際病院で働いています。 看護を学んだ人が活躍する場は多岐にわたっています。看護で学んだこと、そのまなざしを今いる場所、あるいはこれから目指すステージで、存分に活かしてください。感染予防チームのスタッフとともに(1997年頃)。本学校医も務めた古川恵一医師(前列左から2人目)とのご縁で聖路加へ戻る。 訪問看護師として働き始め20年以上が経ちました。これまで多くのがん患者さんとご家族のケアに関わってきました。在宅ケアの仕事とは「いのちを支える」仕事です。患者さんやご家族が病や老いと共に生きることを支えるために多くの人が力を合わせれば、できることがたくさんあると考え、がん患者とその家族や友人が、自分の力を取り戻せる居場所「マギーズセンター」を東京に作りました。 看護職の活躍の場は病院以外にもいっぱいあり、白衣をまとっていない看護職が地域社会ではたくさん働いています。看護は自分を犠牲にして人に“自分を与え続ける仕事”だと思われがちですが、本当は周りの人に“自分自身を豊かにしてもらえる仕事”です。まさに看護職は“自分磨き”ができるとても魅力的な仕事なのです。大変なこともあるかもしれないけれど、あとになったら必ず「自分育て」になっています。ケアする人や一緒に働く仲間との交流は、私たちに本当に多くのことを教えてくれます。マギーズ東京センター1991年看護学部卒業坂本 史衣聖路加国際病院QIセンター感染管理室マネジャーSAKAMOTO Fumie1973年衛生看護学部(当時)卒業秋山 正子白十字訪問看護ステーション白十字ヘルパーステーション統括所長「暮らしの保健室」室長認定NPOマギーズ東京センター長AKIYAMA Masako 第47回フローレンス・ナイチンゲール記章受章28Guide Book 2022

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