教員・専門領域Faculty and Research

老年看護学

老年看護学では、主に65歳以上の高齢者を対象としたヘルスプロモーション(健康増進)や介護予防のための看護、急性的ケアが必要となった高齢者への看護、慢性疾患を生涯持ち続けながら生活する高齢者の生活の質を向上するための看護、アドバンスケアプランニングと看取り、また保健医療福祉制度についてPeople-Centered Careの視点から、教育・研究、そして実践活動を行っています。高齢者看護を提供する場は、医療機関、施設、地域、自宅と様々で、看護の内容や方法も多様です。従って、研究や実践開発の視点はかなり広いものが求められます。研究法では、量的データと質的データを収斂していく混合研究法を取り入れて、様々な現象の理解を深めるようにしています。修士課程では、研究者をめざす修士論文コース、老人看護専門看護師の資格取得をめざす上級実践コースの2つがあります。博士後期課程では、老年看護学についての自立した研究者の育成を目指しています。いずれにおいても、老年看護学では実践を重視していますので、教員が行っている実践・研究活動に参加しながら、看護の役割や高齢者に何が生じているのかを研究的視点で探求すること、共同研究の方法の理解などを通して、研究力・実践力を高めていくことを期待しています。

研究室教員

  • 職名教授/Professor、部長
  • 担当分野老年看護学
  • 職名准教授/Associate Professor
  • 担当分野老年看護学
  • 職名助教/Assistant Professor
  • 担当分野老年看護学
  • 職名助教/Assistant Professor
  • 担当分野老年看護学
  • 職名助教/Assistant Professor
  • 担当分野老年看護学

活動紹介

  1. 教育活動:学部、修士課程(修士論文コース、上級実践コース)、博士後期課程の教育を行っています。
  2. 研究活動:下記のテーマについて研究を行っています。大学院生・研究生の研究活動を支援しています。
  3. 社会的活動:各教員のキャリアと社会的要請に応じた、公的官庁の審議員、学会の理事や委員、NPO法人や民間団体の活動、地域からの講演・講義などの要請への対応、看護実践の提供やセミナーの主催などを積極的に行っています。看護ネットを通じて研究活動の成果を市民に向けて発信しています。

研究活動

老年看護学研究室で行っている研究活動は以下の内容です。

  1. 高齢者と子どもの世代間交流看護支援の実践開発
  2. 慢性疾患在宅療養者へのテレナーシング実践開発
  3. 地域在住高齢者への多因子介入転倒予防プログラム実践開発
  4. 認知症高齢者とご家族へのメモリーブックプロジェクト
  5. 市民と看護職のパートナーシップにもとづくケアの評価指標開発
  6. 認知症高齢者と地域包括ケアに関する研究開発
  7. 認知症介護者のためのベストフレンドアプローチの教育普及

教育活動

  1. 学部:1年次 生涯発達論Ⅱ、2年次 保健医療福祉行政論演習、老年看護学(急性期実践方法)、3年次 老年看護学(慢性期実践方法)、老年看護学実習、4年次 看護ゼミナール老年看護学、公衆衛生看護学実習Ⅰ(老年)、看護研究Ⅱ
  2. 修士課程:特別講義「チームビルデイング」、看護倫理、老年看護学特論Ⅰ・特論Ⅱ・特論Ⅲ、老年看護学演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、老年看護学実習、課題研究、特別看護研究
  3. 博士後期課程:老年看護学特論・老年看護学演習、特別演習、特別研究

社会貢献活動

  • 日本在宅ケア学会理事長
    日本老年看護学会理事
    聖路加看護学会理事・編集委員長
    日本ケアマネジメント学会理事、編集委員
    日本遠隔医療学会運営委員
    日本地域看護学会編集委員
    日本世代間交流学会編集委員
    日本看護科学学会査読委員
    日本呼吸ケア・リハビリテーション学会代議員・財務委員
    日本公衆衛生学会地方試験委員会委員
    川崎市立井田病院看護研究指導
    特定非営利活動法人高齢者を支える学際的チームアプローチ推進ネットワーク副理事長

過去5年間の修士/博士学位 論文テーマ

修了年度 論文テーマ
2014 特別養護老人ホームに入所する認知症高齢者へのライフレビューの効果: ミックス法を用いて
2013 地域における高齢者と子どもの世代間交流観察スケールの開発
2013 都市部高齢者が見守りネットワークを利用し続ける経験
2012 慢性疾患を持つ高齢者と医療職間の討議にもとづく「アドバンスケアプランニング」の終末期医療における意思決定に関する有効性; システマティックレビューおよびメタアナリシス
2011 グループホームに暮らすアルツハイマー型認知症高齢者の'Comfort’の意味 -世界と自己をつなぎ続けること-
2010 認知症高齢者に対するライフレビュー実践による本人の語りの内容分析

院生の声

院生は、比較的不眠とストレスに満ちた空間に身をおいて、眼の前の何が育つかわからない薄い四角い箱を日々凝視している、修行者に近い存在です。看護学の理論、研究手法を一文字ずつ解読して関心のあるテーマとつなぎ合わせ、時には撹拌して研究計画を産みだす準備期間。とにかく頭を下げて協力を願い、無我夢中で実践する収集期間。そして、積まれたデータを再び薄い四角い箱に出し入れしていく論文作成の行程があります。座学でしかなかったRCT、半構造化インタビュー等々の統計的根拠の綺麗さ、哲学的前提の果てしなさを体験し堪能できることに、しみじみ感動します。
老年看護学領域が行っている、大学や研究センターでの活動にTA/RAとして参加しますが、人生の先輩から多くを学べる出会いや機会があり、地域社会との連携や福祉制度とその中で活動する専門職と知り合えます。また、情報学や遠隔医療・看護の国際学会への参加、および海外の研究者や看護師と交流できるチャンスがあり刺激的です。ミシガン大学関連機関での研修といった、海外の高齢者に関わる専門チームの取り組みを学ぶことでは、我が国の超高齢社会に向けた諸問題や研究課題に気づかされます。領域をまたいでいるのでは?と錯覚することもしばしばですが、充実して楽しい!と、後できっと思うに違いない毎日を送っています。

博士後期課程 山本由子