教育

医療政策管理学分野

医療政策管理学は、集団の健康の維持・向上を図るうえで不可欠な医療サービスへのアクセスの公平性に焦点を置いています。各国の政策は、その国の歴史的背景に基づいていますので、それを踏まえて日本における展開を解説します。しかし、グローバルな枠組みを踏まえて行いますので、他の国にも応用することができます。特に日本の超高齢社会への対応は、世界にモデルを提示することになるでしょう。

科目

医療政策管理学

本コースの目的は、日本の医療政策を、経済財政、政治、世論等の医療を取り巻く環境などの多様な視点から学ぶことである。特に、医療保険制度、医療提供体制、規制や法律、医療関連産業、社会的格差と健康、政策決定プロセスとアドボカシー等について、最新の動向も含めて学習する。なお、日本を中心に取り上げるが、グローバルな視点からの比較や、他国への意味合いについても同時に学ぶ。

医療経済学

医療の特殊性である平等性、不測性、医師と患者の情報の非対称性、及び治療結果の不確実性を理解したうえで、国民・患者の視点から医療経済の課題を、日本を具体例として学修する。次に、介護保険を対比的に取り上げることによって医療との相違を明らかにし、併せて超高齢社会への対応について理解を高める。最後に薬剤評価の具体例を提示することで、経済評価の基本的な考え方を学修する。なお、医療機関、医師・医療従事者の課題については、本科目と対をなす医療政策管理学で学修する。

公衆衛生における組織論

病院や医療・公衆衛生関連組織を経営・管理するために必要な基礎知識を学ぶ。特にリーダーシップ、組織人事、基本マネジメントスキルなど、「ひと・組織」の要素にフォーカスをあてる。

薬剤疫学・薬剤経済学

薬剤の利用・安全性・有効性の評価を目標とする観察研究における課題と手法を学ぶ。医療技術の費用対効果評価(薬剤経済学的評価)の基礎と、その政策応用について最新の知見を学ぶ。

医療技術評価概論

医療技術評価に必要なアウトカムの設定、状態推移確率の考え方、わが国及び各国におけるポリシー、生活の質尺度の考え方、また医療技術評価における文献の批判的吟味ついて講義を行う。
わが国の医療技術評価における制度の概要を学び、さらにHTAにおける実務を担う上で必要な基本的な知識と技術を習得することを目的とする。