教育

環境保健学分野

環境保健学は、環境が人間の健康に及ぼす影響を考える学問です。主に環境疫学、毒物学、曝露評価、リスクアセスメント、リスクマネジメント、リスクコミュニケーションから構成され、人類の生存の根本を支える重要な分野を取り扱います。環境媒体(空気、水、土壌)中の有害物質が健康に与える影響や気候変動、環境測定技術、産業保健などの幅広いトピックを理解し、それらを基に科学的な判断ができるようになることを期待します。

科目

環境保健学入門

環境保健学では、周辺環境が公衆衛生にどう影響を与えるのかの基礎的理解を目的とし、本コース序盤には、環境科学の基本原理を概観し、確認していく。本コース中盤では、環境科学における実例の検証及び事例を検討し、考察していく。大気汚染をはじめとした環境問題を軸にした環境疫学については特に重点的に考察する。

環境保健学特論

この科目では、環境保健分野の最新トピックや時事的問題をテーマに実践的な学修を行う。

環境保健の実測実習

環境と健康の関連について研究の実施方法について概説する。このコースでは、疫学研究の計画、有効性の問題、曝露の測定、分析へのアプローチなど健康や環境曝露の影響を研究する上での特別に考慮すべき事項を取り上げる。
特に、計測機器を実際に用いて、家庭や職場における大気浮遊粒子状物質(大気汚染物質)の個人曝露などを解析する。

環境心理学

環境心理学すなわち人と物理的環境との関連について概説する。物理的な環境要因が行動に影響するという概念に焦点を当て、知識を実践(行動)に変える方法、人と環境の関係を理解して改善することについて理解、考慮すべき事項を取り上げる。
このコースでの環境(environment)は、家、オフィス、学校、道路のような構築環境(built setting)、および公園や原野のような自然環境(natural setting)を取り扱う。基礎心理学で明らかにされた原理や理論の知見を用いて現実にある問題解決を目指す。