教育

疫学分野

Division of Epidemiology

疫学は、定義された母集団内における疾病およびその他の健康状態の種類と分布を研究し、それらの決定要因と関連要因を明らかにすることを目的としています。感染性疾患と非感染性疾患については、病因学、伝染、サーベイランス、バイオモニタリング、スクリーニング、医療介入という観点から研究を行います。患者集団を対象とする研究では、エビデンスに基づいた医療と診療に役立つことを目標として、疾病診断、患者の予後、治療/介入の効果等に対して臨床疫学的アプローチを取ることができます。疫学は、「公衆衛生の基礎科学」と言われることから、当研究科の疫学分野は、臨床の知識と方法論の両方において豊富な専門知識を有する最大規模の教員数を有します。

科目

疫学概論

疫学研究に用いられる測定方法、研究デザイン、バイアスや交絡についての分析、疫学論文の批判的吟味、査読のある学会誌への疫学論文の書き方、および疫学分野への論文出版について教授する。講義、演習、ディスカッションの形式で行い、健康関連の問題に着目した出版論文から具体例を用い、また、宿題や教科書等を用いてコースの目標を達成していく。(必修・前期)

担当教員:
ラーマン

疫学実習

疫学的測定と関連、交絡因子、媒介変数、相互作用について統計解析ソフトウェアを使い算出すると同時に、疫学研究の強みと限界をどのように識別し、また、重要な疫学的課題に関して、科学コミュニティ、エコノミストや政策立案者へ情報提供をするための疫学手法の利用について学ぶ。学生は疫学においての研究課題の組み立て方、また、その課題についての適切な研究デザインの系統的な組み立て方について学ぶ。最終的に学生は、疫学実践者を対象とし、どのように疫学研究論文を作成し、また、どのように結果を伝えていくかについて実践的に学ぶ。(選択・後期)

担当教員:
ラーマン高橋大出星野小林

臨床疫学

臨床現場の問題を解決するために診療データを用いて科学的厳密性を確保したエビデンスを発信する、または、それを支援する上で必要な臨床疫学の知識を身につける。学習の基本は、疫学の手法を応用して臨床現場から得られる情報・データの扱い方に重点を置く。診断、予後、治療、予防、リスクに関する臨床研究に特徴的な研究デザインについて学習し、研究計画書作成、データ収集・分析、発表まで臨床研究の一連の手順を学習する。また、臨床研究のデザインや分析で用いる基本的統計手法についても学習する。講義の後は実際の臨床研究の論文を基にスモールグループディスカッションにて理解を深める。(必修・後期)

担当教員:
高橋大出星野小林野島

慢性疾患疫学

疾病構造の変化により慢性疾患の罹患率や死亡率は年々増加し、それらのスクリーニングによる早期発見・予防、罹患後の管理は重要性が増している。それは他の国々でも同様であり国際共同で取り組む課題である。そこで、エビデンスに基づいた慢性疾患患者のスクリーニング・管理・モニタリングについて学習する。検査や治療などの効率性を評価し、最近特に問題になっている過剰診断、過剰治療の弊害についても学ぶ機会を提供する。また、検査特性としての測定誤差(noise)と真の変化(signal)とそれを利用した適切なモニタリング間隔について、生活の質や医療経済学的観点を含め考察し学習する。(選択・後期)

担当教員:
高橋, 大出星野小林

分子疫学

分子疫学は、生体内変化を分子レベルで定量的に把握するための指標となるバイオマーカーを探索・同定することにより、疾患の発症と遺伝要因および生活様式や環境要因との因果関係やその発症機序、予防方法について比較・検討する学問である。本コースでは、特に慢性疾患における分子疫学研究の方法論について、近年のオミックス研究に言及しながら総合的に講義を行う。(選択・前期)

担当教員:
浦山周尾