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2021年度学位記授与 学長 祝辞(2022年3月10日)

学長 堀内 成子

学長祝辞(学部)

 本日、学位を取得し本学を卒業される看護学部125名の皆さん、おめでとうございます。
 皆さんが本学に在籍していた期間の半分、あるいはその在籍期間のすべてが、新型コロナウィルス世界的流行に見舞われた時間でした。体育デーも、クリスマス祝会も、実習も、オンラインという誰も想像しなかった形態になりました。残念だった一方、大学に行ける、対面でクラスメートに出会う・語り合う喜び、病棟実習への期待がこれまで以上に大きかったことと思います。2020年度は、医療、経済、国際交流、社会生活が一変し、ワクチンさえできれば収束するだろうとの楽観的予測は外れ、ウィルス変異株との戦いが続く2021年度でした。
歴史的な激動の時代に、皆さんは新しい生活様式の中で生き抜いて、目標であった看護の基礎教育を終えるという目標を達成しました。皆さんがその不自由な学業生活を、創意工夫と努力とで乗り越えてきたことに拍手をおくり、皆さんをたいへん誇りに思います。

 キリスト教の宣教医であった本学創設者トイスラ-博士の願いもとに建てられた本学は、2020年に看護教育100周年を越え、今日その歴史を振り返ると、いくつもの挑戦を切り拓いてきた道のりでした。それぞれの時代に大震災、戦争、様々な困難に出会いながらも、先人は不屈の精神で立ち向かってきました。
次なる10年後、30年後は、どのような世界になっているのでしょうか。そのとき、皆さんが時代の求めに応じて、医療・看護・福祉の分野で実践・教育・研究の実践者・教育者となり、「知と感性と愛のアート」が示すキリスト教の建学の精神を受け継ぐ人であることを心より願います。

 皆さんは、麦踏みという言葉を知っていますか?種まきからおよそ1か月後に霜の降りる寒い季節に行われる作業。
ギュッ、ミシッ、ギュッ、ミシッ、と音がします。植物が芽を出そうとしたとき上に石や障害物があると、それにぶつかって傷がつきます。その傷からエチレンという植物ホルモンが放出され、植物はこれを感知して茎が太くなって、障害物を押しのけようと働くそうです。太くなった茎は、風で倒れにくくするとのことです。早春に麦の芽を踏みつけて、根の張りをよくし、茎を太くする作業です。

 皆さんにとって卒業後の世界では、障壁となる出来事があるでしょう。その時、この「麦踏み」を思い浮べてください。初めての仕事では、失敗はすることがあります。その失敗から学び、次に備えてください。これは成長の為に必要な失敗だ、障壁だと考えてください。1ミリ単位の小さな進歩であっても、「あっ、先週よりいいかも」と成長を喜ぶあなたでいてください。「看護師になりたい、医療に貢献したい」という意志を持ち続けて、やり抜いてください。

 ここ聖路加を学び舎として過ごした人は、事を成し遂げる覚悟と方法を身につけていると信じています。どうか謙虚に周囲の人々から教えを乞う姿勢を持ち続けて、未来へと進んでください。

 最後に皆さんを支え、この日を心待ちにしていらしたご家族・ご友人の皆様に心からお祝い申し上げます。ここまでの学びにご支援いただきました患者様、多くの保健・医療機関の皆様、同窓会をはじめ、奨学金や寄付等のご支援をくださいました皆様に心より御礼申し上げます。
これを持ちましてお祝いの言葉といたします。


学長祝辞(看護学研究科)

 本日、学位を取得し本学を・修了される、大学院看護学研究科修士課程53名、博士後期課程16名の皆さん、おめでとうございます。

 皆さんが本学に在籍していた期間の半分、あるいはその在籍期間のすべてが、新型コロナウィルス世界的流行に見舞われた時間でした。授業も、学位審査も、学会発表も、データ収集もオンラインという誰も想像しなかった形態になりました。感染症への対応など、現場の多忙さゆえに休学を余儀なくされた院生、データ収集方法や期間を延長せざるを得なかった院生もいらっしゃると思います。残念だった一方、対面で語り合う喜び、Web学習の利便性がこれまで以上に大きかったと思います。2020年度は、医療、経済、国際交流、社会生活が一変し、ワクチンさえできれば収束するだろうとの楽観的予測は外れ、ウィルス変異株との戦いが続く2021年度でした。
歴史的な激動の時代に、皆さんは新しい生活様式の中で生き抜いて、目標であった看護の基礎教育を終えるという目標を達成しました。皆さんがその不自由な学業生活を、創意工夫と努力とで乗り越えてきたことに拍手をおくり、皆さんをたいへん誇りに思います。

 キリスト教の宣教医であった本学創設者トイスラ-博士の願いもとに建てられた本学は、2020年に看護教育100周年を越え、今日その歴史を振り返ると、いくつもの挑戦を切り拓いてきた道のりでした。それぞれの時代に大震災、戦争、様々な困難に出会いながらも、先人は不屈の精神で立ち向かってきました。
次なる10年後、30年後は、どのような世界になっているのでしょうか。そのとき、皆さんが時代の求めに応じて、医療・看護・福祉の分野で実践・教育・研究の実践者・教育者となり、「知と感性と愛のアート」が示すキリスト教の建学の精神を受け継ぐ人であることを心より願います。

 皆さんは、麦踏みという言葉を知っていますか?種まきからおよそ1か月後に霜の降りる寒い季節に行われる作業。
ギュッ、ミシッ、ギュッ、ミシッ、と音がします。植物が芽を出そうとしたとき上に石や障害物があると、それにぶつかって傷がつきます。その傷からエチレンという植物ホルモンが放出され、植物はこれを感知して茎が太くなって、障害物を押しのけようと働くそうです。太くなった茎は、風で倒れにくくするとのことです。早春に麦の芽を踏みつけて、根の張りをよくし、茎を太くする作業です。
皆さんにとって修了後の世界では、障壁となる出来事があるでしょう。その時、この「麦踏み」を思い浮べてください。初めての仕事では、失敗はすることがあります。その失敗から学び、次に備えてください。これは成長の為に必要な失敗だ、障壁だと考えてください。1ミリ単位の小さな進歩であっても、「あっ、先週よりいいかも」と成長を喜ぶあなたでいてください。「看護職として、医療に貢献したい」という意志を持ち続けて、やり抜いてください。

 そして、忘れてはならないのは、「実るほど首を垂れる稲穂かな」(The more noble, the more humble)の精神です。若い緑色の稲がすくすく成長し、やがて実をつけます。稲が熟すほど穂が下を向き、しなう様に垂れ下がる。人間も、学問や徳が深まるにつれ謙虚になるという諺です。
ここ聖路加を学び舎として過ごした人は、事を成し遂げる覚悟と方法を身につけていると信じています。どうか謙虚に周囲の人々から教えを乞う姿勢を持ち続けて、未来へと進んでください。

 最後に皆さんを支え、この日を心待ちにしていらしたご家族・ご友人の皆様に心からお祝い申し上げます。ここまでの学びにご支援いただきました患者様、多くの保健・医療機関の皆様、同窓会をはじめ、奨学金や寄付等のご支援をくださいました皆様に心より御礼申し上げます。
これを持ちましてお祝いの言葉といたします。


Congratulatory message from the President (Graduate School of Public Health)

Congratulations, to the 21 Master‘s and 1 Doctorate Public health graduate on your diplomas today.

COVID-19 has affected every part of your studies here from classes to research. Some students were even forced to postpone their studies. Despite this, there were also positives. Changing to online has taught us the joy of face-to-face conversations and made studies more convenient.
While our previous hopes for the end of COVID last year did not come true, I am truly proud of all of you for the diligence and creativity you have shown that allows you to be here today.

Despite various challenges such as disasters and war, this university has opened many paths in the more than 100 years since its founding thanks to the firm beliefs of those before us. No matter what the world becomes in the upcoming decades, I hope that you remember the Christian values this university has taught you and become the leaders in your fields that your generation needs.

Have you ever heard of “wheat stepping”? This work is done in the colder seasons on young wheat plants. Doing this makes the wheat plant grow bigger and stronger since it faces more resistance due to obstacles it pushes past in order to grow.
You all will face obstacles in the future. When this happens, I want you to remember this lesson. When faced with failure or difficulty, take that chance to remember that those challenges will only make you stronger in the pursuit of your dreams.

The mentality of “the more noble, the more humble” is one that must also not be forgotten.
This, I would like you to carry with you. The young, green rice plant grows and grows,
eventually sprouting. And the more the rice plant matures, it faces downward, drooping
as if it is crawling. This saying expresses that humans, too, become humble as their knowledge and virtue deepens. I believe that those who have studied at St. Luke’s have the mentality and methods to see things through to the end. Stay humble, be proud of the fruits of your labor, and go forth towards the future.

Lastly, I would like to say congratulations to the family and friends who so supported everyone here and long awaited for this day. And to the patients who have supported their studies, the many healthcare and medical facility staff, the alumni association, and all those who have shown their support through scholarships and donations up to now, I hereby express my sincerest gratitude.
Thank you.