大学院生 多田恭子

多田恭子

フィールドワークを大切にし、将来開発途上国の子どもたちの助けになりたい。

Why St. Luke's?ルカじゃなきゃダメ!でした。

小学生の時に、ニューヨークの国連で、世界には5歳未満の子どもが3秒に1人死んでいるという事実を講義で学び、衝撃を受けたのがきっかけで、将来開発途上国の子どものために看護師として役に立ちたいと思っていました。看護師になって小児病棟に勤続して3年目の時、“そろそろ将来の道を具体化させなきゃ…でも、どんな形で関わろう…WHO?NGO?JICA?うーん…でも世界に出るなら大学院?”などと悶々と悩んでいた矢先、所属していた国際協力のメーリングリストに「タンザニア連合共和国母子保健支援ボランティア連携事業」という聖路加国際大学とJICA青年海外協力隊による連携事業が開講されるという情報が流れ、この斬新で画期的なプログラムに運命を感じ、“これだっ!!!”と飛びつき、即、聖路加国際大学の教授に連絡しました。そこで、パッション溢れる堀内先生と新福先生に出会い、“一緒にパイオニアになりませんか?”という誘いに、アドレナリンが全開になり、受験を決めました。


Start Here.こうして私はルカ生になりました。

私は、小児病棟の看護師でしたが、受験に必要な専門科目が助産学であると知り、看護師国家試験の勉強をしていた頃から得意とは言えない領域であったため、“あと2ヶ月で母性の領域を…マスター?”と絶望しました。しかし、こんなチャンスは二度とないと思い、看護師国家試験の問題集を引っ張り出し、助産師の友人に教科書を借りて勉強しました。職場では新人指導係であったため、プラスアルファの仕事もありましたが、先輩や同期に助けてもらいながら、自分の受験にもきちんと向き合うことができました。また、受験までの2ヶ月という限られた期間であったため“やるしかない!”と集中できたのと、何より、一緒に夜遅くまでカフェでの勉強に付き合ってくれる友人がいたので励みになりました。


Campus Lifeわたしのルカ生活。

タンザニア連合共和国の母子保健支援について研究しています。
青年海外協力隊員の活動としては、新生児、乳児ケアの改善を目的として、病棟における新生児、乳幼児ケアの補助業務、乳児健診の待合時間に行う予防医療や子どもに起こりやすい病気や初期症状に関する集団保健指導の計画・実施の支援、職員の行う看護実習生の指導の補助を行う予定です。
私の研究内容は、タンザニアの子どもの栄養失調についてフィールド調査を行う予定です。きっかけは、下痢で子どもが死ぬ国が世界にはたくさんあるという現実が受け入れがたかったからです。タンザニアは、5歳未満死亡率を1990年から2013年までに167から52(出生1000対)へ削減させミレニアム開発目標を達成した、サブサハラ以南の国では数少ない国なのですが、先進国の5歳未満死亡率は6(出生1000対)であり、まだまだ高い数値です。その原因として、早産による合併症、肺炎、陣痛・分娩中の合併症、下痢、マラリアなどが挙げられていますが、総括して、5歳未満の全死亡の半数が根本的に栄養不良が関与していると言われています。だから、実際どのような食生活をしているのかを調査し、その原因を明らかにしたいと思っています。


I love Nursing.看護がすき。

今回の受験同様、“次のキャリア、どうしようかな~”と思った時に、巡り合った縁を大切にしたいので、まだ卒業後の進路は具体的には決まっていません。ただ、帰国後は、自分の研究テーマの論文を書き上げ、多くの場で研究発表や現地での活動報告を行い、タンザニアやその周辺国の魅力を伝えつつ、現地の厳しい現実を看護師の視点から世間に訴えたいと思っています。そして、より多くの人が、開発途上国の現実に興味を持ち、問題視し、日本にできること、自分にできること、を考えるきっかけを作りたいです。また、開発途上国で看護師として働きたいが勇気を踏み出せずにいる人と一緒にその道の第一歩を踏み出せる手助けをしつつ、私自らは、何らかの形で国際保健分野の専門家となり、日本や海外問わず世の中のために働ける看護師になりたいと夢みています。

大学院看護学研究科修士課程ウィメンズヘルス・助産学専攻上級実践コース1年:多田恭子

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