公衆衛生大学院について

学長あいさつ・研究科長あいさつ

 WHOが世界的大流行(パンデミック)を表明した2020年新型コロナウィルス感染症(COVID-19)は、公衆衛生という概念の重要性と、感染予防における個人衛生と集団の健康の関係を、過酷な経験を通じて私たちに教えてくれました。またCOVID-19は、疫病が医療のみならず政治・経済・教育・交通・差別心理等、様々な分野に甚大な影響を及ぼす災害であることも教えてくれました。
 本学母体である聖路加国際病院は、1925年に公衆衛生専門医師と保健師を採用し、公衆衛生の理解が乏しい時代を切り拓き、現代までその実践は綿々と受け継がれてきました。公衆衛生大学院(専門職学位課程)においては、米国のスタンダードに準拠して修了要件が42単位と我が国の大学院設置基準の修了要件30単位を遥かに上回ります。
本学の“実践を重視する校風”に触れ、公衆衛生の知恵と技をもって社会貢献のできる高度専門職業人を目指しませんか。

学長 堀内 成子




NISHI Nobuo

 2017年に設立された本公衆衛生学研究科は今年で7年目に入りました。我々は専門職学位課程と博士後期課程の2つの国際水準の公衆衛生学位プログラムを英語で提供しています。我々の目標は、グローバルな視点で世界の健康課題に革新的な解決策をもたらす公衆衛生の専門家を育成することです。
 専門職学位課程では、公衆衛生学的アプローチに不可欠な基本専門5領域の必修科目に加え、豊富な選択科目と実践課題を通して、将来公衆衛生専門家として活躍するために必要な基礎知識、資質と応用実践経験が身につく国際基準に準じたカリキュラムを提供しています。さらに、公衆衛生現場での問題解決力向上のため、本年度から応用実践経験(APE)を必修として追加しました。博士後期課程は、取得可能な学位をDrPHからPhDに変更することに合わせて本年度から専門領域を拡大し、幅広い公衆衛生学研究者を養成するようカリキュラムを変更しました。いずれのプログラムも社会人学生が仕事や家庭とバランスをとりながら学べるように、オンラインによる授業を積極的に取り入れています。
 予測困難な時代において人々が健康で幸福に暮らす社会を実現するため、国際社会の一員として学び、問題解決に取り組む強い意欲のある方々の入学をお待ちしております。

公衆衛生学研究科長 西 信雄