入学について

2022年度博士後期課程修了生 デュンゲル ビバさん

早稲田大学統計学 講師
国立成育医療研究センター 研究員

聖路加での経験を活かし、プロフェッショナルの道へ

 聖路加は日本の医療教育と研究をリードしてきた100年以上の歴史があり、高い評価を得ている点、そして国際的な環境で世界中から集まった多様な学生と共に学べるという点に魅力を感じ、入学を決意しました。
 受講したコースの中で最も興味深かった授業は「生物統計学」です。この授業では、統計学の手法を実社会の公衆衛生問題に応用する必要があり、統計ソフトを使った実践的な学習を行います。決して簡単ではありませんでしたが、複雑な問題を解決できたときの達成感が私の生物統計学への情熱をより深いものにしました。 私は公衆衛生の研究者としてタバココントロールの研究に力を注いでいます。聖路加の教育を通じて、研究に必要なスキルと知識を得ることができたため、在学中に国立成育医療研究センターのリサーチアシスタントとなる機会を得て、研究者としての実務経験を積むことができました。また筆頭著者として複数の研究論文を発表する中で、複雑なデータセットを分析する覚悟と自信を身につけることができました。これらの経験から、公衆衛生のエビデンスに基づいて実践することの重要性と、政策や介入を導くためには研究が重要であることを深く理解することができたと思います。
 修了後は、国立成育医療研究センターの研究員として引き続き研究に従事するとともに、早稲田大学で統計学の講師として、統計学の基礎、中級、上級の講義を担当する予定です。今後もタバココ
ントロールと生物統計学の分野への貢献、そして次世代の研究者や実務家の育成に寄与しつつ、最終的には祖国ネパールの保健大臣となり、困難な状況にある人々に効果的な公衆衛生政策と介入策を届けられるように尽力したいと考えています。

2023年4月