看護実習について
看護は実践の科学です。講義と演習で得た学びを、実践の場でどう活かすか——それは、幾多の実習から体得するものです。本学は附属の聖路加国際病院をはじめとする医療・介護施設などで、豊富な実習を行っており、臨床に強い看護職を育成します。
実践型の学び
実習は、またとない体験学習です。理論の理解は教室でできますが、看護実践を学べるのは現場だけです。臨床に強い看護師の育成を目指す本学では、すでに聖路加国際病院での実習指導体制の変革を図っています。これに加え2015年度から実習科目を増やします。1年生から4年生まで、常に看護の現場に足を踏み入れ、現場で主体的に学ぶ機会を持てるようにするためです。聖路加だからこそなしえる34単位の実習。実習を通して学生がチームの一員となれる力をつけ、看護・看護学の学びを保障します。
4年間の実習履修表
実習紹介
- コミュニケーション実習(1年次前期)
1年前期で履修するコミュニケーション実習は、看護(People-Centered Care)が良好なコミュニケーションに裏打ちされた患者と看護師との人間関係・信頼関係のもとで行われるという前提のもと、人間と人間そして患者と看護師の関係の重要性を理解し、関係を築き・深めるためのコミュニケーションに関する概念、モデル、方法及び態度を学ぶ実習です。
- サービスラーニング(1年次後期・2年次前期)※2015年度より新設
1年後期と2年前期に履修するサービスラーニングは、実践現場に継続的に入り、看護現場で求められるサービスの内容、提供方法を学びます。人々から看護が何を求められているかを学ぶと同時に、看護実践現場に慣れることを目的としています。
- 看護学実習(3年次後期)
成人、老年、小児、精神、地域・在宅などの分野にわたり、健康レベルと対象(患者)の特性に応じた実習を、それぞれ2週間ずつ経験します。対象およびその家族、看護を実践する場の特徴を多角的に観察・理解したうえで最適な健康状態を生み出す、系統的な支援能力を養うほか、自らの看護実践に対する考えを明らかにし、看護観の形成を促します。
- 総合実習(4年次前期)
小児、家族発達、ターミナル、精神、地域、国際などから関心のあるテーマを選んで取り組む2週間の実習です。すでに学んだ知識や技術を統合して臨むことが求められるこの実習は、少人数のグループに分かれて実施。グループの一員として、主体的に自らの役割と機能を発揮しながら働きかける能力を養っていきます。
- 看護ゼミナール( 4 年次前期)
専門科目「看護学統合」のなかで実施されるゼミナール。文献学習や見学、討論、グループワークなどを行いながら、特定分野の看護についての理解を深めていきます。看護に携わるプロフェッショナルとして社会に一歩踏み出すその前に、ともに学んだ仲間との結びつきを再確認する場ともなっています。
- 実習の1日の流れ(例)
6:00 | 起床。支度をして大学へ出発。 |
7:00 | 大学で実習服に着替え、病棟へ。 |
7:30 | 受け持ち患者さんの情報を病棟PCで確認。 |
8:00 | 申し送り。指導者に行動計画をチェックしてもらい、担当ナースに報告。 また病室で環境整備やバイタル測定も行う。 |
10:00 | 投薬、ベッドメイキング、清潔ケア |
11:30 | ナースに午前の申し送りと患者さんの食事介助を行う。 |
12:30 | 大学に戻り、ラウンジで昼食。 |
14:00 | 患者さんのリハビリ同行、ナースへ報告。 |
15:30 | 実習終了 |
16:30 |
大学に戻り、図書館で記録作成。 |
18:30 | 仲間と大学周辺で夕飯。 |
20:00 | 帰宅。記録作成。 |
23:00 | 記録作成終了、入浴して就寝。 |
主な実習施設
- 神奈川県立こども医療センター(神奈川県横浜市)
- 国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)
- 永生会永生病院(東京都八王子市)
- 救世軍ブース記念病院(東京都杉並区)
- 東京武蔵野病院(東京都板橋区)
- 中央区中央保健所(東京都中央区)
この他にも多数の実習施設があります。