看護学研究科長挨拶
ご入学おめでとうございます。
皆様を心より歓迎いたします。
聖路加国際大学大学院看護学研究科は、現在、日本の看護系大学院の中で最大規模の院生が学んでいます。学びの中で、同級生のみならず他領域や多くの院生、そして教職員との交流を楽しみにしていただきたいと思います。
大学院生に進学した理由を聞くと、自己成長の壁にぶつかって学びなおしたい、自分の課題の解決をしたい、臨床で感じた疑問や課題を明らかにしたい、など、様々な内容が返ってきます。いずれも看護専門職としてのキャリアを積み重ねる中で、学び続けたいという意欲や学ぶ必要性を感じられたことから進学を決められたと思います。
臨床現場は疑問、課題の宝庫です。しかしながら、現場での疑問を新たな看護の知見につなげていくには、研究のプロセスを適切に踏んでいくことが不可欠です。このプロセスを身につけることは、しいては根拠をもって看護実践を展開していく力、高めていく力につながっていきます。
医療の急速な高度化や超高齢社会により健康問題は複雑化しています。さらに療養の場は変化し、多職種での介入は医療の質の担保に欠かせなくなっています。
効果的な多職種連携を行うためには、患者や他医療職者に看護を説明できること、根拠やアウトカムを明確にして看護を示していくことが重要です。また社会の変化から新たなケアを開発していくことも必要です。ぜひ大学院での研究成果を社会に還元していただきたいと思います。
学生生活においては、困難に直面することもあると思います。どうしたらよいか考えることは、後の研究の深化に必ずつながっていきます。あきらめず新たな知見につなげて歩みを続けられるように、教職員は皆さんとともに考え、一緒に歩んで参ります。
看護学研究科長 吉田 俊子