看護学研究科Graduate School of Nursing Science

JICA連携-青年海外協力隊

タンザニア連合共和国母子保健支援ボランティア連携事業

「タンザニア連合共和国母子保健支援ボランティア連携事業」とは、アフリカ・タンザニアでJICA青年海外協力隊として、看護・助産に関わる健康教育に従事する経験を通して、聖路加国際大学大学院看護研究科で修士号を取得するプログラムです。聖路加国際大学大学院看護研究科は、「看護学の研究の実施と研究者の育成、高度実践家の育成を目指し、もって看護の発展と人々の福祉に貢献すること」という使命を持ち、国際的な看護学研究の発展や世界の人々の福祉へ活動を広げています。本事業は、聖路加国際大学とJICAによる連携協定のもと実施しています。

「タンザニア連合共和国母子保健支援ボランティア連携事業」とは、アフリカ・タンザニアでJICA青年海外協力隊として、看護・助産に関わる健康教育に従事する経験を通して、聖路加国際大学大学院看護研究科で修士号を取得するプログラムです。聖路加国際大学大学院看護研究科は、「看護学の研究の実施と研究者の育成、高度実践家の育成を目指し、もって看護の発展と人々の福祉に貢献すること」という使命を持ち、国際的な看護学研究の発展や世界の人々の福祉へ活動を広げています。「タンザニア連合共和国母子保健支援ボランティア連携事業」は、博士課程前期(修士課程)に在学中の約2年間、青年海外協力隊としての活動を行いながら、その間も看護研究科の教員からの指導を受けつつ、国際協力・貢献の現場での実践を通じて国際保健に関わる人材としての資質・能力を高めることをめざしています。

本事業に至る経過

聖路加看護大学(現:聖路加国際大学)は、1990年にWHO Collaborating Centre に任命され、プライマリヘルスに関する研究・教育に携わってきました。2009年から2011年にかけて、立教大学ウィリアムズ司教記念教育基金によりタンザニアからFrida Madeni氏を留学生として受入れ、Madeni氏は大学院看護学研究科ウィメンズヘルス・助産学専攻で修士号を修得しました。同時期に、聖路加国際大学はタンザニアのムヒンビリ健康科学大学と教育・研究交流を図るため、学術交流協定を締結いたしました。
その後、看護系では初めて、日本学術振興会のアジア・アフリカ学術基盤形成事業の採択をうけ(事業年度2011年~2013年度)、アジア・アフリカ助産研究センターの設置を行いました。本事業において、「共同研究」「セミナー」「研究者交流」を効果的に組み合わせた交流を実施し、若手研究者育成のため、ムヒンビリ健康科学大学での大学院修士課程助産学専攻開設に向けたカリキュラムの開発や、タンザニアにおける思春期の性教育の研究を実施しました。
これら一連の教育研究活動を展開するにあたり、タンザニアの母子保健の改善のため、より多くのリサーチマインドを持った人材育成の必要性に迫られました。
そこで、JICAの青年海外協力隊のボランティア活動と、大学院教育とを組み合わせた高等教育プログラムを着想し、タンザニアのニーズに沿った形の連携事業の実施に至りました。

大学院と青年海外協力隊合格から修士号取得までの流れ

内容と特色

  1. 青年海外協力隊員としてタンザニア連合共和国に赴き、現地の病院やヘルスセンターでの看護・助産業務の補助、健康教育などを通じ、保健分野における国際協力、開発途上国支援のための活動を行います。(青年海外協力隊活動)
  2. 青年海外協力隊活動と並行して看護研究科教員の指導を受けます。帰国後、看護の理論と隊員活動で実践した成果を基に課題研究をまとめます。(調査研究活動)
  3. 青年海外協力隊参加期間を含め標準の課程として3年で修士の学位が取得できます。

教育期間

標準教育期間は3年で、これには青年海外協力隊所定の派遣前訓練と1年9か月の協力隊活動を含みます。単位取得については、青年海外協力隊参加期間に、助産学演習Ⅱ(フィールドワーク)(2単位)、および実習(6単位)の計8単位が取得可能で、残りの最低必要単位(24単位)は、青年海外協力隊参加前の半期と帰国後の半期で取得します。

  時期 内容
1年目 前期 講義受講、研究準備、タンザニア情報共有
後期 青年海外協力隊所定の派遣前訓練、タンザニアへ赴任
2年目 前期 タンザニアで協力隊活動と調査、研究、現地集中講義
後期 同上
3年目 前期 同上
後期 タンザニアから帰国、講義受講、課題研究の執筆

学生の身分

聖路加国際大学大学院看護研究科の在学生として青年海外協力隊に参加します。現地で協力隊活動に従事しながら、同時に遠隔地在住学生として指導教員を中心に看護研究科教員の指導を受け、指定された単位を取得することができます。

なお、タンザニア連合共和国母子保健支援ボランティア連携事業の対象学生は日本国籍を有し、看護師免許を有し、臨床経験が3年以上あるものとし、ウィメンズヘルス・助産学専攻 助産学上級実践コース(タンザニア連合共和国母子保健支援ボランティア連携事業)を希望する者に限ります。

派遣先

タンザニア国内の病院もしくは公衆衛生を担当する県庁保健課を予定しています。青年海外協力隊の待遇及び活動の詳細については、青年海外協力隊の募集要項等を参照してください。

募集条件

  1. 定員:博士課程前期(修士課程)の学生若干名
  2. 聖路加国際大学大学院出願資格
    (1)以下の①~④のいずれかの資格を有する者。
    ①大学を卒業した者および2015年3月卒業見込みの者(大学評価・学位授与機構による学士の学位取得者および学位取得見込みの者を含む)
    ②外国において学校教育における16 年の課程を修了した者
    ③文部科学大臣の指定した者(昭和28年文部省告示第5号)
    ④文部科学大臣の指定した者(平成26年文部科学省告示第20号)
    注:出願資格(1)-④に該当すると思われる者は出願期間の3週間前までに申し出ること。

    (2)出願資格(1)に加え、看護師、助産師、保健師免許のいずれかに基づく実務経験が3年以上ある者。
  3. 青年海外協力隊選考試験
    タンザニア連合共和国母子保健支援ボランティア連携事業への参加を希望する学生は、青年海外協力隊に応募し選考試験を受験しなければなりません。なお、協力隊に不採用の場合は、聖路加国際大学大学院看護研究科の一般学生と同様の扱いとなり、指導教員との相談により履修プランを決定します。
  4. 期待される受験生
    ●国際協力・国際貢献活動と大学院進学の両方を志望する看護師・助産師で、実務経験3年以上の者。
    ●国際協力・国際貢献に関心がある看護師・助産師で、さらに知識・技術を高めて国際保健の専門家を目指す者。
    ●より効果的な国際協力・国際貢献を求めて、あるいはさらに国際保健について学ぼうとして、再度海外でのボランティア活動を希望する国際保健実務経験者等。