聖路加国際大学についてUniversity Information

ご挨拶

学長・病院長 福井次矢

『聖路加』における正式な看護教育は、1920年に設置された聖路加国際病院附属高等看護婦学校に端を発します。1927年には(財団法人)聖路加女子学園聖路加女子専門学校として病院から独立し、看護教育と病院は互いに異なる法人のもとに管理運営されることになりました。1954年に聖路加短期大学(3年制)、1964年に聖路加看護大学(4年制)と改称し、1980年に大学院博士前期課程、1988年には大学院博士後期課程が設置されました。そして、2014年には、丁度半世紀にわたって用いられてきた聖路加看護大学という名称を聖路加国際大学に変更し、(一般財団法人)聖路加国際メディカルセンターにあった聖路加国際病院を聖路加国際大学に移譲するという「一体化」事業を完遂いたしました。
『聖路加』は、わが国では最も早期に高度な看護教育を始めた施設の一つであり、4年制の大学への移行や大学院の設置にも積極的に取り組んでまいりました。その結果、多くの優秀な卒業生・修了生を輩出し、国内外の公的機関や大学、医療・福祉の現場で素晴らしい業績を残してきました。しかしながら、4年制の看護教育を行っている大学が250を超える現在、そのような過去の業績に安住することは許されません。
2014年の「一体化」以降、さまざまな看護教育カリキュラムの改革(臨床実習の単位数を23から34に増やすこと、学士を対象とした3年次編入コースの設置、アクティブラーニング型学習の充実、大学院前期課程に看護教育学上級実践コース(CNE養成課程)・後期課程に看護学専攻DNP(Doctor of Nursing Practice)コースの設置、全学生が卒業前に一度は海外に短期留学すること等)がなされてきました。中期的には、これらの改革の教育効果(アウトカム)を実証する必要があります。
聖路加国際大学看護学部・看護学研究科の長期的なビジョンとして、私は次の2点を思い描いています。第一に、「社会に貢献する人材を輩出し続けること」。そのためには、患者の視線、臨床現場の状況、国際的な動向を踏まえて、教育の過程を工夫し続けなくてはなりません。看護教育における世界の最先端のグループに入るくらいの気概を持って、看護教育の改革を先導したいものです。第二に、看護分野における「リーダーとしての地位を確保・維持すること」。そのためには、臨床・教育・研究面での高質性と先進性、独自性を達成・維持しなくてはなりません。
国が新たに設定した方針や社会の変化に伴う外からの圧力によって受動的に変革を図るのではなく、自らの意思で率先して組織変革を続けなくてはなりません。まさに「生きた有機体」として、改善のPDCA(Plan、Do、Check、Action)サイクルをプロアクティブに回し続ける必要があります。それができなければ、長年にわたって先人が築いてきた『聖路加』の栄光はたちまち瓦解することでしょう。われわれの世代でそのような状況に陥ることのないよう、心して運営にあたる所存です。

学長・病院長 福井 次矢