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2023年度学位授与式 看護学部長 祝辞(2024年3月8日)

看護学部長 吉田 俊子

看護学部を卒業される124名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、今日まで物心両面で支えてこられた、ご家族の皆さまに心よりお喜びを申し上げます。

聖路加での学びはいかがだったでしょうか。在学中にはコロナ禍での数多くの課題を経験されたと思います。また、新しい生活や学び方が日常になり、変革の4年間を過ごされたと思います。そして、思い出とともに、大きな糧を得た実感もおありではないかと思います
看護は人々の健康に恩恵をもたらし、そして新しい価値や方法を編み出し、社会に還元しています。社会に大きな影響を与えるということは、それは同時に大きな影響を受けることと表裏であると思います。
社会では様々な価値観の相違にであうでしょう。いまこの日本で同じ時間、同じ場で立っている私たちは、ある意味同じ価値観がベースにあります。それでも、年代、地域、育った環境、文化でも多くの違いがあります。
世界は多様な考えがあり、そして対立もあります。他の価値観を受け入れるには、自身を見失う体験もあるかもしれません。理解の基盤にあるのは、相手の思いをはせ、受け入れること、相手を思う心、愛です。
皆さんは、聖路加の学びを通して、「知と感性と愛のアート」である看護、キリスト教精神に基づく隣人愛、常に相手を思う心を深く学ばれました。
聖路加での学びは、皆さんのこれからの礎です。卒業時の今は、その礎がどのように自分の中にあるのか、不確かに感じるかもしれません。しかし、歩みを進めていくと、自分の中にある礎を感じる時が必ず来ると思います。
聖路加国際大学を卒業される皆さんには、これからの社会を牽引していく看護職として、看護の可能性を引き出す挑戦を続けていってほしいと思います。看護は何を行うべきか、何ができるのかを常に考え、実践することを大切にして挑戦を続けてほしいと思います。
これからの歩みの前には、様々な課題が起こってくるでしょう。しかし、自分の目の前にある山は神様がくださった必然であり、その過程には必ず意味があります。
一所懸命がんばってもできなかったことは、ALL or Nothingではなく、自分を認め、次の課題を見つける気持ちで、果敢に歩みを進めていってほしいと思います。
学び続けることは、人としての根幹にあるものです。学び続ける先に、きっと将来、もっと深めたい、という探究への思いが湧いてくると思います。その思いはあらたな挑戦につながっていくと思います。
そして、皆さんには大学で得た大切な宝物があります。大学教職員、病院の皆様、地域や社会で出会った方々、そして大学で供に学んだ仲間は生涯を通じてはかけがえのない存在です。どうぞ、共に人生を豊かにしていく仲間をこれからも大切にしてください。
聖路加で得た多くの学びと宝物を持って、皆さんが看護職としての豊かな人生を歩まれていくことを、祈念して、お祝いの言葉といたします。