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クリニカルナース・エデュケーター(Clinical Nurse Educator: CNE)育成プログラム

看護教育学上級実践コース(CNEコース)

このコースは、看護系大学の学生および臨床におけるスタッフの教育に携わることのできる能力、および看護の実践の場を常に学術研究成果と直結させて看護ケアの質を改善していく能力を有する人材(通称クリニカル・ナースエデュケーター[CNE])の育成を目的としています。必修科目32単位、および選択必修科目9単位の合計41単位を履修します。

必修科目 看護理論、看護研究法Ⅰ&Ⅱ、看護管理学特論Ⅰ&Ⅱ、看護教育学特論Ⅰ~Ⅲ、看護教育学演習Ⅰ~Ⅲ、専門分野の特論、CNE臨地実習指導プラクティカム、課題研究
選択科目(9単位以上履修)うち9単位は次の科目から選択する 看護倫理、応用形態機能学、フィジカルアセスメント、診断・治療学、臨床遺伝学、病態生理学、臨床薬理学、応用統計学、チームビルディング

e-ポートフォリオを活用し、臨床教育に関するリフレクションを通して教育実践力の向上を図ります。また、この教育実践の経験を課題研究へとつなぎます。これによって、臨床教育における実践知を集積します。
未来の看護系大学教員(フューチャー・ナースファカルティ・FNF)は、優れた実践能力を教育に結びつけることができるクリニカル・ナースエデュケーター(CNE)と研究能力が高い教育者の両者を指しています。このプログラムでは,両者が協働し看護系大学の教育を行っていくあり方をめざします。

さらにCNEについて詳しく

 

CNEコース(看護教育学上級実践コース)誕生の経緯

CNEコースは、文部科学省「看護系大学教員養成機能強化事業」(平成25~27年度)の助成を受けた、聖路加国際大学大学院フューチャー・ナースファカルティ育成プログラム(FNFP)のひとつとして2014年度に誕生しました。

FNFPの理念

臨地実習は看護学教育において、最も学びの深い教育方法です。しかし、患者の権利の尊重、診療技術の進歩、学生の未熟性等から、見学での学習だけにとどまることが多いのが現状です。更に、施行者記録の原則が守られない、現場の看護技術と学修内容に齟齬が生じる等の課題も認識されています。一方、大学教員には、実践経験が少ない、研究力が不十分、研究活動と実習指導の両立が困難である等の課題がでています。
これらの課題の解決には、臨地の場でケアに責任をもち、適切に看護行為を実施できるように学生を育成していく力量をもち、研究成果に基づく看護を創ることができる教員(CNE)と大学教員との協働が必要です。臨床に軸足をおくCNEと大学に軸足をおく教育・研究者とが協働して実践開発研究を行うことにより、看護の質の改善と看護学の発展を実現します。

FNFPの内容

FNF育成プログラム(FNFP)は、看護教育学上級実践コース(CNEコース)および、全大学院生を対象にした教育開発、研究力開発、社会貢献活動開発プログラムで構成されています。

教育力開発プログラム

このプログラムは、教育学セミナー、TAワークショップ、TA活動メンタリングの3つにより構成されています。

教育学セミナーは、大学で「講義」を行う際の知識やスキルの獲得に主眼を置きます。プログラム実施に際しては、東京大学FFP(フューチャーファカルティプログラム)の協力を得ます。2016年度は看護教育学特論Ⅰでも学ぶことができます。

TAワークショップとTA活動メンタリングは、看護系大学で「実習や演習」を行う際の知識やスキルの獲得に主眼を置きます。TAワークショップにより事前に知識やスキルを学びます。2016年度は看護教育学特論Ⅱでも学ぶことができます。TA実施後にリフレクションの記述による教育活動の省察を行うことで、TA経験の意味づけを促進します。

研究力開発プログラム

本学大学院では学生の指導教員による研究活動メンダリングが行われています。さらにこのプログラムでは研修会等により研究者としての力量を強化します。

FNFPの内容

FNF育成プログラム(FNFP)は、看護教育学上級実践コース(CNEコース)および、全大学院生を対象にした教育開発、研究力開発、社会貢献活動開発プログラムで構成されています。

本プログラムから得られる具体的な成果

FNF育成プログラムを実施することにより、得られる具体的な成果は、以下のとおりです。

  1. 大学院修士課程看護教育学上級実践コース(CNEコース)で学ぶことにより、高い臨床実践能力をもつ、未来の看護系大学教員が育成されます。
  2. 教育学セミナーへの参加により、大学教育の潮流を理解し、授業展開力向上のために必要な教育手法に関する知識や技術を身に付けた、教育マインドを持った専門職としての歩みを開始することができます。
  3. TAワークショップへの参加により、実習や演習で教育を行う際に必要な知識や技術が獲得できます。
  4. TA実施後にリフレクションシートの記述による教育活動の省察を行うことで、自らの経験の意味づけを行い、経験から学習することが出来るようになります。
  5. 研究活動のメンタリング、研修会への参加により、研究者としてのスタートが支援され、研究者としての力量が強化されます。
  6. 社会貢献活動力開発プログラムにより、大学教員が行う社会貢献活動を周辺参加によって学び、看護職・大学教員の社会における活動と、その役割を学ぶことが出来ます。
  7. これらの能力を総合的に備えた大学院生は、教育者としての能力が強化され、動機が高まります。

参考資料

フューチャー・ナースファカルティ(FNF)育成プログラムの概要