WHOCCWHO Collaborating Center for Nursing Development in Primary Health Care

2016年度

看護 2017年3月号 第69巻 第3号

WHO協力センターフォーラム2016

2016年11月28~29日の2日間、WHO西太平洋地域事務局(WPRO)が管轄国の協力センターを集めた第2回WHO協力センターフォーラムがマニラで開催された。オーストラリア、中国、日本、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、韓国、シンガポール、ベトナム、モンゴルから143のセンターが参加し、217人の参加者があった。うち日本は34団体すべてが参加した。
 開会に際し、地域事務局長のDr. Shin Young-sooより、西太平洋地域に貧困国はなくなったこと、それに伴い非感染症(NCDs)や高齢化の問題、環境汚染と移民の問題が増えたこと、西太平洋地域には、37の国と地域が属し、それぞれの地域に特化した健康問題があるが、委員会の話し合いで、地域として優先とする課題は、ウイルス性肝炎、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、結核、暴力と怪我の予防、都市健康問題となったことが報告された。また、2014年の西アフリカでのエボラ出血熱の課題から、「Asia Pacific Strategy for Emerging Diseases and Public Health Emergencies」 (APSED Ⅲ)が採択され、人材や予算を、地域を超えて一元化することも報告された。現在はジカウイルスがアジアにも発見されつつあり、感染症対策も引き続き大きな課題である。

発表ポスターの 前の葛西健 西 太平洋地域事務 局事業統括部長 (左端)、同保健 人材担当Indrajit Hazarika 氏( 中 央)と亀井智子 WHO 看護開発 協力センター長

 フォーラムでは、2年前の第1回フォーラムから、WHOとセンターの連携がどのように変化したか、グッド・プラクティスを紹介することを目的の1つとしていた。日本からは国立国際医療研究センターがベトナム、ラオス、カンボジア、フィリピンで人材育成を実施していること、医療安全セミナーには、聖路加国際大学(以下:本学)からもQI活動の講演で協力があったことが報告された。
 また、ベトナム、フィジー、ラオスのWHOカントリーオフィスともテレビ電話をつなぎ、連携事例が紹介された。ラオスでEarly Essential Newborn Careを進めているWPRO母子保健課のDr. Howard Sobelからは、2016年10月に本学で新たにインドネシア、タンザニアといった国との地域を超えたイノベーティブな連携が生まれたことが報告された。
 センターの特色や関心によって、その後、小グループでのセッションが行われた。筆者が参加したコミュニケーションのセッションでは、情報を拡散するために、どのような媒体を使うことが効果的か、ということが話し合われた。現在広まりつつあるインターネットやスマートフォンを利用しても、貧困国の最も情報を届けたいところに届かないと意味がないなど、ターゲットのオーディエンスを決めてから媒体を決める工夫が必要であると伝えられた。
 看護・助産のセンターが集められた保健人材部門のセッションでは、2016年より始まった「持続可能な開発目標(SDGs)」のゴールと、各センターの活動のつながりを可視化して話し合った。本学の看護開発協力センターの活動は、ポスターで発表した(写真)。
 総じて、地域や専門を超えたセンターが集まり、それぞれの活動を知ることで、新たな連携の可能性が生まれ、国際的な動きの中の立ち位置を知る機会となった。 文責:新福 洋子(しんぷく ようこ)

看護 2017年1月号 第69巻 第1号

WHO共催Early Essential Newborn Careセミナー

 10月24〜27日の4日間、WHO西太平洋地域事務局(WPRO)が開発・遂行しているEarly Essential Newborn Care(EENC:早期必須新生児ケア)のセミナーを、聖路加国際大学(以下:本学)が受託している日本学術振興会研究拠点形成事業の一環として開催した。コーチングによってエビデンスに基づいた新生児ケアを身につけ、病院内のケアを改善していくセミナーで、すでにWPRO管轄国では第一段階のコーチングの実施を終了しており、その後の評価調査が進んでいる。

 今回、本学が協定校として共同研究を進めているタンザニアのムヒンビリ健康科学大学、インドネシアの国立イスラム大学から招いた教員と、本学に研究生として所属するシエラレオネの看護師を対象に、WPROからHoward Sobel氏、永井真理氏を招聘してコーチングを行った。これはタンザニアとインドネシアにEENCを展開する礎を築くことを目的としていた。また、本学の助産師・NICU看護師の大学院生を参加させた。彼女らが将来国際保健の現場で看護師・助産師教育ができるように、開発途上国の現状に合わせた教育を体験してもらうことも、第二の目的であった。

 初日の開講式には、Sobel氏と永井氏に加え、厚生労働省国際課より山谷裕幸室長、加藤琢真課長補佐、国立国際医療研究センターより木多村知美氏、宮川雅美氏、稲岡希実子氏、本学より松谷美和子学部長、亀井智子WHO看護開発協力センター長のご参加をいただき、事業の代表である堀内成子教授からごあいさつをした。セミナー中には国際協力機構(JICA)から竹中裕氏、高橋優子氏、東京女子医科大学の仁志田博司名誉教授にご参加いただき、埼玉医科大学の田村正徳教授には講義をしていただいた。

コーチングの様子

コーチングは、本学シミュレーションセンターで行われ、開発途上国での出産直後のケア教材として活用できる布製の子宮・胎児・胎盤等のモデルを用いて、現実事例と類似した状況で演習を行い、「なぜそうするのか」「エビデンスはあるのか」という問いかけで進んでいく。開発途上国ではこうしたアクティブ・ラーニングは非常に珍しく、最初は戸惑う様子も見られたが、問いかけから「それは考えたこともなかった」という気づきがあり、参加各国で実践が異なっていたことも新しい発見となった。参加者が頭で考えずとも効率よく必要なケアが実践できるよう、モデルを用いて何度も練習を繰り返した。一通りの知識と技術が身についた後は、ファシリテーターとしてセミナーを実施できるようコーチングを受ける。そのときにも参加者は、最初はどんな質問を投げかけてよいのかわからない様子が見られたが、Sobel氏の促しで、徐々にファシリテーションができるようになっていった。

 本セミナーの実施は、WHO協力センターのグッドプラクティスとして、WHOのウェブサイトに掲載されることとなった。来年のタンザニアとインドネシアへの展開に向け、WHOとも連携を取りながら、準備を進めている。
文責:新福 洋子(しんぷく ようこ)

看護 2016年11月号 第69巻 第1号

WHO 看護・助産開発協力センター・グロー バルネットワーク学術集会・総会への参加

1. 学術集会への参加

 本学術集会は、3日間にわたって開催され、基調講演、シンポジウム、各国からの口演、ポスターセッション等が行われた。本学からは、本センターの実践研究の基軸とする、日本の超高齢社会に向けた市民と専門職のパートナーシップに基づくPeople-Centered Care(PCC)モデルの開発について、筆者がポスター発表した。このPCC モデルでは、多様な健康課題の解決に向けて、医療専門職が市民とパートナーを組み、互いを信頼、尊敬、理解し、互いの強みを出し合い、障壁をともに乗り越え、意思決定を共有し、互いに成長する。発表では、従来の患者との関係性を超えたパートナーシップを通じて、個々の生活の質やヘルスリテラシーの向上といった個人変容だけでなく、地域社会の変容をねらうケアモデルであることを紹介した。
 また、助産部門のパネルディスカッションでは、新福洋子助教が日本学術振興会研究拠点形成事業として実施している看護助産教育の能力開発における本学のタンザニア(アフリカ)との連携事業について口頭発表した。さらにグローバルヘルス部門のパネルディスカッションでは本学センター長の亀井智子教授が座長を務めた。

2. 総会への参加

総会で議長を務めたJohn Daly 事務局長

 総会には、WHO 看護・助産開発協力センターの代表者が集い、各国のセンターから活動状況と課題の報告があり、今後のWHO 協力センターとしての活動について話し合った。
 本学からは、亀井智子センター長よりアジアにおける超高齢社会の課題および本センターの7期目の再委嘱に向けて「高齢社会におけるプライマリーヘルスケアの価値に基づいたPeople-Centered Care の発展とWHO 西太平洋地域への貢献」「女性と子ども、専門職のよりよい連携に基づくヘルスリテラシー向上のための知見の共有」「WHO西太平洋地域の社会資源が少ない国々における看護助産教育の能力開発」の新目標(Terms of Reference)を設定し、取り組んでいることを報告した。
 今回の学術集会と総会への参加を通して、WHO、WHO 看護・助産開発協力センターとの情報共有をすることができ、諸外国とも高齢化の課題や解決されていない母子保健の問題を話し合うことができた。
これらを通して、今後の本学の活動の方向性を確認する機会となった。
文責:髙橋 恵子(たかはし けいこ)

看護 2016年9月号

WHO西太平洋地域事務局共催・医療安全セミナー

 2016年1月にフィリピン・マニラ市のWHO西太平洋地域事務局(WPRO)に渡航した経緯を本誌5月号で報告した。その際に3月に東京で開催されるWHOWPRO共催の医療安全セミナー(正式なタイトルは、“Third Hospital Quality and Patient Safety Management Course”「第3回病院の質と患者安全管理コース」)に聖路加国際大学からも参加できないかという打診があった。
 コースの目的の1つに「参加者の病院においてケアの質を向上し、患者安全と人々を中心とする姿勢が改善されるアクションプランを作成する」ことが含まれていたため、聖路加国際大学のWHOCC*(以下:本CC)が主題としてきたPeople-Centered Care(PCC)の概念や実例を紹介してほしいということであった。
 本CCのWPRO担当官のRasul氏はDivision of Health Systems(ヘルスシステム部)のIntegrated Service Delivery(統合されたサービスデリバリー)という課でコーディネーターをしていて、医療安全は課の中心となるテーマであること、この医療安全セミナーは、国立保健医療科学院と国立国際医療研究センターという日本のWHOCCとともに行っていること、WPROの管轄国であるカンボジア、ラオス、ベトナム、モンゴルの4カ国から医療安全を担当している医師、看護師、事務の管理者を集めて実施する計画であることが説明された。聖路加国際病院では医療安全やQuality Indicator (QI)で医療の質を測り改善する活動に力を入れていたため、小松康宏QIセンター長にセミナーにご登壇いただくこととなった。

 3月17日、大学側から亀井智子WHO看護開発協力センター長と新福もWHOCCメンバーとして一緒にセミナーに参加した。セミナーは4日間で設けられていたため、参加できたのは一部だったが、参加した国立保健医療科学院の種田憲一郎先生の講義は興味深かった。チームビルディングの要素を取り入れていて、各国のメンバーで、言葉を交わさずにどれだけ長く紙の鎖をつくれるかを競うゲームなどを通し、チーム内のコミュニケーションについてあらためて考える機会を与え、医療の質に対する働く者のチーム力の大切さを伝えていた。
 小松センター長は聖路加国際病院で取り組んでいる実際のQI活動を紹介し、それがどのように患者安全につながるのかを説明した。実践的な内容であったため、とても積極的に内容を理解しようとする参加者の姿勢が見えた。
 本CCの地域におけるPCC活動も紹介し、持参した英語化した転倒予防のマグネットをプレゼントすると、とても喜ばれた。本CCは、今後もこうしたWHOとの実質的な連携を継続、拡大していく予定である。
文責:新福 洋子(しんぷく ようこ)

看護 2016年7月号

中国での新生児ケアセミナー2016年3月に、WHO西太平洋地域事務局(WPRO)と中国保健省が中国・西安で行った新生児ケアのセミナーに参加した。

本誌3月号にEarly Essential Newborn Care(EENC:早期必須新生児ケア)の成り立ちと西太平洋地域での動きを紹介したが、今回は西太平洋地域の最終トレーニング先である西安でのセミナーで、EENCの実際を体験する機会を得た。セミナーは、コーチングスタイルを採用しているのが特徴で、講義をいっさい行わず、日本でも看護教育や継続教育に取り入れられているシミュレーション教育と近い。

降り立った西安咸陽国際空港にはすでに、WPROの母子保健課コーディネーターでありメインコーチのHoward Sobel氏、コーチのJohn Murray氏、受け入れホストであるTao Xu氏が北京から到着していた。一行はそのまま西北婦女児童病院に向かいセミナーを開始した。セミナーは、出生直後のシミュレーションができるように、レールダル社のママナタリーという子宮や新生児の状態を再現できるモデルを用いて実施された。

参加者は、西安の新生児科医、助産師、看護師に加え、今後医療者のトレーナーとなるユニセフやSave the Childrenのスタッフたちである。コーチ1人につき、6人まで参加できる。中国の医療者とともに、手洗いから出産、新生児ケアのシミュレーションを体験した。 メインコーチのSobel氏は中国での活動経験があり、中国語ができる。英語と中国語で、出産場面を演じ、見ている参加者に問いかける。「出産において最も怖いリスクとは?」「産婦を受け入れて、まず何を準備した? なぜそうした?」「アンビューバッグは動くか確認した? どのように確認する?」……参加した医療者たちは、Sobel氏に質問されることで刺激を受け、次々と回答が飛び交った。会場が声でごった返すこともあったが、コーチは場をうまくコントロールしつつ、参加者たちの発言を促した。

セミナーの目的は、新生児死亡率を下げること。正常新生児のケアから、呼吸をしていない場合の処置といった異常時のケアまでを含み、生まれる前から出産直後のケア、母乳育児や臍帯の処置といった、新生児死亡率を下げるために、開発途上国の環境で提供できるベストなケアとそのエビデンスを学んだ。参加者は、こうして身につけた知識とスキルを、今後中国の医療者に拡散するファシリテーターとなる。

これまでに西太平洋地域で実施された同セミナーを他地域にも展開するため、聖路加国際大学が実施しているタンザニアとインドネシアの同様のプロジェクトとの連携について話し合っている。WHOでは、開発途上国で続く新生児死亡を1人でも減らすための努力が続けられている。新生児の状態を示す指標やケアは、世界最高レベルと言っても過言ではない日本から、世界へ向けて貢献するWHOとのコラボレーションを実現していきたい。

文責:新福 洋子(しんぷく ようこ)

看護 2016年5月号 第68巻 第6号

WHO 西太平洋事務局への訪問

聖路加国際大学は、1990年に看護・助産の分野におけるプライマリーヘルスケアの研究協力機関として、WHO指定研究協力センター(WHOCC)に任命され、現在6期目を迎えている。WHOCCはWHO からの認定によってWHO に貢献する活動を行うが、その認定更新は通常4年ごとに行われる。WHOCC としての活動を継続するためには、WHO 担当部署の活動指針と共通した活動を行い、その成果をWHO やWHO 参加国と共有する必要がある。

そこで2016年1月28日、本学WHOCC事務局メンバーが、7期目の認定更新に向けて、フィリピンにあるWHO西太平洋事務局(WPRO)を訪問。WHOCCの担当官であるRasul Baghirov氏と会合を持った。会合には、厚生労働省からWPROに出向している牧野友彦氏にもご同席いただき、担当官に本学WHOCCの研究活動を報告し、WHOの活動指針との整合性を確認。活動への好評価をいただいた。

本学WHOCCは、プライマリーヘルスケアにおける看護の教育、実践および研究を発展させるため、その中心概念であるPeople-Centred Care (PCC=市民主導型のケア)を実践する研究教育活動を続けている。本学WHOCCの活動には、2007年にWPROより出版された『People-Centred Health Care:A Policy Framework(市民主導型のヘルスケア:政策枠組み)』1)が反映されているが、WHOが2015年に新しく出版した『WHO global strategy on people-centred and integrated health services(市民主導型包括ヘルスケアの世界戦略)』2)とも内容が共通している。

WHOは、どんな人も金銭的に大きな負担を負うことなく医療にアクセスできる“ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ”を構築し、すべての人に健康と基本的な人権を認め、市民の主体的参加や自己決定権を保障するプライマリーヘルスケアの実現をめざしている。本学WHOCCでは、市民のヘルスリテラシーを高め、母子から高齢者まで、さまざまな健康教育と意思決定支援を行うことと、こうしたアプローチのできる看護職の育成を他国に拡大すべく、今後も取り組んでいく。

2016年度からは、PCCの海外への展開を促進し、看護系のWHOCCとして、よりグローバルな貢献を強めていく計画である。Baghirov氏と牧野氏との支持的で建設的な会合を経て、WHOCCメンバー全員がその意識を強めていく結果となった。

文責:新福 洋子(しんぷく ようこ)

引用文献
1)People-Centred Health Care:A Policy Framework(http://www.wpro.who.int/health_services/people_at_the_centre_of_care/documents/en/)[2016年3月11日確認]
2)WHO global strategy on people-centred and integrated health services (http://www.who.int/servicedeliverysafety/areas/people-centred-care/global-strategy/en/)[2016年3月11日確認]

看護 2016年3月号 第68巻 第3号

WHO西太平洋事務局主催「Early Essential Newborn Care」会議

2015年9月21日~25日、WHO西太平洋事務局(WPRO)主催「Accelerating Progress on Early Essential Newborn Care (EENC:早期必須新生児ケアの進行を促進する)」会議が、東京にて開催された。

1.エビデンスに裏打ちされた教育の重要性

西太平洋地区では2分に1人、新生児が亡くなると算出されている。その死因の多くが病院や地域での不適切なケアと関連していると言われている。今まで新生児ケアは、母親、そして子どもへのケアの狭間にあり、見落とされがちな課題であった。そこでWPROではユニセフと協働して、2014年5月に「Action Plan for Healthy Newborn Infants in the Western Pacific Region(2014-2020)(西太平洋地区の健康な新生児乳幼児のためのアクションプラン)」を刊行した。 アクションプランでは、新生児の敗血症のアウトブレイクが起きたフィリピンや、新生児死亡率が下がらないカンボジアにおける調査の結果、医療スタッフへの教育問題が浮かび上がったと報告している。こうした国々の教育機関は講義中心で、実践スキル習得にあまり時間を割いていないこと、さらに実技では形式的に「何をするのか」を指導するばかりで、「何が大切かを考え、実践する」という機会を与えられておらず、結果、間違った技術を習得してしまうことが多発していたことが判明した。 こうした反省を踏まえWPROは、エビデンスに基づいた母子ケアの実技(出生直後に母子の肌と肌の触れ合いをさせるなど)を推奨する「ファースト・エンブレイス」というコーチングの手法を用いて、医療者を教育するプログラムが立ち上げた。各国で実施した結果、帝王切開後のSkin-to-skinケアが増えたり、NICUへの入院が減るなどの変化が見られた。

2.新生児死亡率改善につながることを期待

EENC会議には、カンボジア、中国、ラオス、モンゴル、パプアニューギニア、フィリピン、ソロモン諸島、ベトナムの8カ国の保健省、財務省、母子保健関係の実践者が招聘された。同会議では、コーチングプログラムの実践とその評価指標の導入に際し、「何が妨げになっているのか」「どうしたら改善できるのか」が話し合われた。改善策として、「政府としてEENCにコミットすること」「活動に必要な予算を付け、保健省がその予算を使用できるよう財務を回すこと」「病院の経営層や実務者が真摯にトレーニングに取り組むこと」等が挙げられた。今後もWPROは、政府機関とも連携しつつ、それぞれのステークホルダーにEENCの意義を伝え、寄り添い型のコーチングを続けることで、新生児死亡率改善につながることを期待している。