教員・専門領域Faculty and Research

基礎看護学・看護技術学

基礎看護学は、初学者への導入科目としては成り立つのですが、学問としてその研究テーマ、研究対象、研究方法に独自性があるのか、大いに悩ましいところです。そのためか基礎看護学は大学院の科目になるのが遅れ、1997年にコースを開始しました。看護技術学は当初基礎看護学の中に入っていましたが、途中で別科目になりました。基礎看護学/看護技術学では、年代特性、疾病特性等に限定されずに、広く日常生活動作の支援につながる看護技術や、看護学・看護ケアの中心概念、看護とは何かを巡るあらゆる事象がテーマになります。研究方法も生理学的実験研究、臨床介入研究、質的研究,歴史的研究など、様々です。一番大切なのは、自分がなぜそのテーマを探求したいのか、です。教員がその対象や方法に強くない場合は、他の教員(学外も含め)にも相談して進めています。院生・教員の研究論文は,本学のリポジトリの中で高頻度に閲覧されている論文になっています。

研究室教員

縄 秀志
  • 職名教授/Professor
  • 専門分野基礎看護学・看護技術学
  • 職名准教授/Associate Professor
  • 専門分野基礎看護学・看護技術学
  • 職名准教授/Associate Professor
  • 専門分野基礎看護学・看護技術学
  • 職名准教授/Associate Professor
  • 専門分野基礎看護学・看護技術学
  • 職名助教/Assistant Professor
  • 専門分野基礎看護学・看護技術学
  • 職名助教/Assistant Professor
  • 専門分野基礎看護学・看護技術学
鈴木 彩加
  • 職名助教/Assistant Professor

活動紹介

1)月1回行っている基礎看護学研究会(看護技術学を含む)では、院生の研究や教員の研究について、計画や途中の段階を含めて発表しあい、互いに意見を出して、より意義のある研究になるように、検討しています。修了生が参加することも歓迎しています。2)原則として年2回、Biobehavioral Nursing Research 研究会を行っています。参加は任意ですが、修了生が集まり、その後研究の進展を発表して、研鑽を深めています。研究者の連携をつくる機会にもなっています。

研究活動

教員は各自の関心あるテーマで、科研費を取得して研究を進めています。本年度の科研費のテーマは次のものです。①看護技術の構成要素と効果(菱沼)、②術後の早期離床を実現する看護介入プログラム開発に向けた基礎的研究(加藤木)、③脳卒中背面開放座位ケアプログラムの定着を促す看護師支援ツールの開発と評価(大久保)、④既卒採用看護師の職場適応促進策-日本版メンターシッププログラムの構築に向けて-(伊東)、⑤看護師養成所のモーニングケアの教育に関する実態調査:教育プログラムの考案に向けて(大橋(久))、 ⑥看護実践における「安楽」の理論化~ミックスメソッドデザインによる検証~(佐居)。その他の研究として複数の教員が任意に参加し、子どもに体を教えるという研究活動、People -Centered Careの研究活動も行っています。科研費以外の研究費を獲得している教員もいます。院生は、教員のテーマと一致する場合はともに研究を行えますが、下の表のように院生のテーマは様々です。研究対象も研究方法も、それぞれ異なりますので、各自が適切な方法を編み出しながら実施している現状です。                    

教育活動

1)修士課程では、特論Ⅰでナイチンゲールの看護覚え書を通読しています。ナイチンゲールの魅力を共に味わい、看護・看護学においてなぜナイチンゲールが原典なのかを改めて学びます。演習Ⅰでは、各自の問題意識が研究のテーマとして成り立ちえるかを考えます。特論Ⅱでは、各自のテーマに関した論文を読み、テーマの絞り込みをしていきます。演習Ⅱでは具体的な研究対象者・方法を選ぶために演習を行い、研究計画書を書きだします。2)博士後期課程では、特論で各自のテーマの文献を読み、研究テーマの絞り込みを行い、文献研等あるいは概念分析で論文作成・投稿をおこないます。演習で研究の具体的な可能性を探り,予備研究を実施します。その後研究計画書を作成し、審査を経て、データ収集に取り掛かります。3)私たちの領域では学部で看護学を導入する科目の教育も担っており、また4年生の卒業前のまとめの科目にも関与しています。これらの科目で、院生がテーチィングアシスタントとして活動できます。

社会貢献活動

1)学部生・ナース向けのテキスト・副読本・DVD等を作成しています。看護形態機能学第3版(日本看護協会出版会)、看護につなげる形態機能学第2版(メジカルフレンド社)、ケーススタディ看護形態機能学(南江堂)、ヘルスアセスメント、最新基礎看護技術DVDシリーズ(丸善)、看護の原理(ライフサポート社)、看護技術の科学と検証第2版(日本看護協会出版会)などを執筆しています。2)PCCの実践活動として、一般市民向けの健康相談、子どもに体を教えるプログラムを杉並区立図書館で実施しています。3)看護系学会の役員や事務局を引き受けていたり、東京都、文部科学省等での委員を務めているメンバーもいます。4)大学院の修了生の多くは大学教員で、北海道から九州までの各地で基礎看護学や成人看護学、老年看護学の教鞭をとっています。臨床看護で活躍している修了生もいます。

過去5年間の修士/博士学位 論文テーマ

修了年度 論文テーマ
修士 2014 集中治療領域に焦点を置いた多職種連携によるせん妄対策と導入過程
修士 2014 インシデントを報告することに関する看護職の意識-スタッフナースへのインタビュー
修士 2013 治療期がん患者の生きることへの思いの表出の様相
修士 2012 脳卒中後経鼻胃管から栄養を受ける患者の姿勢の変化
修士 2012 車椅子移乗の介助方法を導くためのアセスメントツールの開発-回復期脳血管障害患者において-
修士 2011 大腸術後患者の早期離床
修士 2011 ラベンダー精油を用いた上肢へのマッサージが自律神経活動に及ぼす影響
博士 2014 ケアの場における患者にとっての「気持ちいい」体験
博士 2014 乳がん患者のリンパ浮腫のリスクファクタ-と日常生活への影響
博士 2014 闘病記を素材にした現任教育プログラムにおける看護師の体験
博士 2012 中等度-重度認知症高齢者の疼痛アセスメントのための日本語版DOLOPULUS2の有用性
博士 2012 ランダム化比較試験による成人女性の便秘症状とQOLに対する温罨法の効果—便秘薬の服用の有無に焦点をあてて—
博士 2011 後頚部温罨法中の快がもたらす効果モデルの開発
博士 2011 生活者として壮年期・中年期にある女性が入院治療を余儀なくされた際に抱く気がかり
博士 2011 重度アルツハイマー型認知症高齢者との相互作用場面における看護師のケア提供行為の構成—シンボリック相互作用論の視点での検討—
博士 2011 一般病棟熟練看護師が実践する安楽な看護のプロセス
博士 2010 回復期脳血管障害患者に手の動きの自覚と語りを促す手浴ケアの成果モデル
博士 2010 末梢動脈疾患患者の心血管疾患に関する知識・リスク認識と健康行動および心血管イベント発症との関連性

院生の声

基礎看護学は1,2年生への授業が多いので、テーチィング・アシスタントをいろいろすることができました。実習にも行けてとても勉強になったと思ます(修士2年N)。研究に取り組む上での基盤づくりをしっかりと学び、身に付けていく過程を歩んでいます。その歩みを見守り、サポートしてくださる指導教授や先生方、友人がいる環境に感謝しながら日々精進しています(博士2年S)。基礎看護学・看護技術学は自分の関心を大事にして、自由に取り組み、研究として何ができるかを考えていけるところです。大学院では様々な領域の人たちと、広く討議ができるところが聖路加の特徴だと思います(博士3年K)。