教員・専門領域Faculty and Research

看護心理学

看護心理学という研究分野は十分、確立されているとは言えませんので、本学ではケアに役立つ後方支援としての心理学を目指しています。具体的にはモデルに基づいたカウンセリングによる支援や集団精神療法などを行っています。これらが有益なことは間違いないのですが、エビデンスを豊富にもった心理学としては、行動療法にも関心をもっています。ただし、個人的には、われわれが生きる最終的な世界のあり方と、私が研究する心理学にはどのようなつながりがあるのかという問いが基底にあります。

研究室教員

  • 職名教授/Professor
  • 担当分野看護心理学

活動紹介

領域としては、私一人の教員のため、他の領域のような活発な活動はできません。さらに、私は臨床心理士ではありませんし、ケアを専門にしているわけでもありません。それでも、心理学は基礎研究ですから、本学で何らかの具体的な貢献ができるはずです。そこで、私がもっている問いと、本学での教育をいったん区分し、その後で何らの接点を持たせるように考えながら活動するようにしています。   

研究活動

  • 1)ケアを志向する心理学
    このテーマでは、これまで、「看護師のストレス対処」「マズローの学説の再検討」「生活の質を高める教育と学習-よりよいヒューマン・ケアをめざして」「養護教諭になることを希望する学生に向けたロール・プレイング」などを執筆しました。
  • 2)昔話の心理学(1)
    昔話は興味深い研究テーマではありますが、ある意味で夢見の語りのようなもので、切り口を見つけるのが容易ではありません。心理学の立場からの研究として、これまでは河合隼雄によるユング派からアプローチ以外には、散発的な研究があっただけで、とくに見るべきものはありませんでした。これを認知心理学の教科書にも掲載されているバートレット研究のアプローチに位置づけ、彼の理論を反証するエビデンスを見いだしました。
  • 3)昔話の心理学(2)
    心理学と哲学学が地続きであることを背景にして、昔話を昔話の心理学とは異なった観点に位置づける研究を実施しています。

教育活動

学部では実証科学として心理学がこれまでに、どのようなエビデンスを蓄積してきたのかという点に焦点をあて、スタンダードな心理学の見方に馴染みをもてるような心理学の講義をしています。それを基礎にして、養護教諭希望者に向けてカウンセリングに関する講義も行っています。大学院では、これまで、複数の教育内容を展開してきたのですが、たとえば、カウンセリングのイーガンモデルや、コーリィのテキストを用いて集団精神療法の実技を行っていたこともあります。現在は、行動主義について院生とともに学んでいるのですが、それがケアに役立つことに院生が気づくための授業をめざしています。

社会貢献活動

私の社会貢献活動は次のとおりです。

  1. 今年4月まで日本ヒューマン・ケア心理学会の常任理事をしていました。
  2. 聖路加看護学会の編集委員を務めています。
  3. 青梅市にある盲老人ホームを経営している聖明福祉協会の評議員をしています。