教員・専門領域Faculty and Research

看護情報学

意思決定支援、ポジティブコーピング、これらを支えあうサポートネットワークやコミュニティ、ソーシャルキャピタルづくりについて焦点をあてています。
そのために、市民・患者や医療者を対象とした社会調査を通して、市民・患者や医療者の視点から、その生活する世界に注目し、情報に基づいた意思決定ができているかどうか、それを阻んでいるものは何か、必要な支援が受けられているか、その支援はどのようなものかを明らかにしようとしています。この研究室での看護情報学は、対象の適切な情報の入手、理解、評価、活用(意思決定や行動)をケアする領域ととらえています。

研究室教員

  • 職名教授/Professor
  • 担当分野看護情報学
  • 職名助教/Assistant Professor
  • 担当分野看護情報学

活動紹介

研究室では、毎週、研究会(ゼミ)を実施しています(今年度は金曜日18:00~20:00、社会人院生を受け入れているため夜に行なっています)。企画と運営は大学院生によるもので、大学院生の修士論文や博士論文のテーマについての発表が中心です。その目的は、研究テーマを深めて研究を進めることはもちろん、メンバーの多様な研究の進捗の過程をシェアすることで、研究の進め方と支援のノウハウを学習することです。そこでは大学院生自身の手で、互いに協力しながら、つぎのことを学ぶことを目指します。

  • 問題意識の明確化、焦点化、仮説形成の方法
  • データベースやWebによる国内外の文献や最新研究動向の検索・収集・整理の方法
  • 目的にあわせた多様な研究のデザインと調査法
    (インタビュー・質問紙調査、基本的な統計解析から多変量解析まで)
  • 統計解析パッケージSPSS、Amosなどの使用法
  • プログラムの開発と評価法
  • 論文の批判的な見方、考察のポイントと目的に対応した結論の導き方
  • 学会発表、論文作成の過程と方法
  • 科学研究費など公的資金を得たテーマでの研究実践方法や新たな助成金の獲得法
  • エビデンスを基にした客観的な議論の方法
  • 研究への建設的な質問やアドバイスの方法
  • 多様な視点からアドバイスされた選択肢に対して、すべて丁寧に対応し吟味する方法
  • 他者の言動を根拠にせず、自分で学習したことをもとに判断する方法
  • 研究会のブログの活用による議論を客観的に整理して文章化する方法
  • ソーシャルメディアによって研究の最新動向を獲得・シェアする方法
  • 司会の担当および司会への協力により、論点を整理しながら議論を深め、より多くの参加者の発言の機会を引き出し学習機会を共有する方法

研究会への参加により、修士課程では、支援を受けながら基本的な研究方法をマスターすること、博士課程では修士でマスターした研究方法を生かして自立して1人で研究を実施し、それらの経験をもとに他の院生の研究を支援できるようになることを目指します。

院生以外にも、修了生や、共通したテーマに取り組む他大学の教員や院生の参加があります。
参加や見学を希望する方はご連絡下さい。

ほかにも院生による自主的な勉強会や研究会もあります。院生には、自主的にそのような会を立ち上げ運営することで、研究者に必要な研究におけるリーダーシップを身に付けることを推奨しています。

研究活動

  1. ヘルスリテラシー不足の患者・家族・市民を発見・支援する看護学習コンテンツ開発(文部科学省科学研究費のサイトへリンク):健康や医療に関する情報を、1)収集、2)理解、3)評価、4)意思決定と行動に活用するというプロセスにおいて、ヘルスリテラシーが低いことで問題や困難に直面し、適切な意思決定ができていない患者、家族、市民を早期に発見し、支援するための方法を明らかにし、それを看護教育のみならず患者・市民も学習できるコンテンツを開発、評価することを目的として研究を行っています。<研究成果:健康を決める力(http://www.healthliteracy.jp/)>
  2. 患者がエビデンスとナラティブをつないで意思決定できるディシジョン・エイドの開発(https://kaken.nii.ac.jp/d/p/25670928.ja.html):患者が治療法や療養生活の選択において、エビデンスと体験者のナラティブを活用し自分の価値観を明確にして意思決定できるディシジョン・エイドを開発、評価することを目的として研究を行っています。
  3. ヘルスリテラシー学習拠点プロジェクト(http://www.slcn.ac.jp/research/healthliteracy.html):地域住民のヘルス・リテラシー向上に寄与するアクティブ・ラーニング教材の開発を行っています。
  4. ポジティブ心理学研究会(http://positivephealth.blogspot.jp/):

教育活動

学部では、公衆衛生学・疫学、健康社会学、保健統計学、保健医療福祉行政論演習、対人関係論と担当しています。大学院では、看護情報学特論、看護情報学演習、応用統計学、健康科学方法論を担当しています。詳細はシラバス(リンク)をご覧ください。また、毎週、研究会(ゼミ)を実施しています。詳細はこちらをご覧ください。

社会貢献活動

学会活動
日本保健医療社会学会 評議員、 日本民族衛生学会 評議員、 日本保健医療行動科学会 評議員、日本看護研究学会 評議員、 日本がん看護学会 専任査読委員

ウェブサイトの運営
健康を決める力
ナースに役立つ種類のサイトとは?

健康・医療・看護情報提供
facebook(サイトへリンク)
Twitter(サイトへリンク)

過去5年間の修士/博士学位 論文テーマ

修了年度 論文テーマ
博士論文 2013 医療系専門職と市民・患者のカフェ型ヘルスコミュニケーションによる変容的学習のプロセス
2011 乳がん患者のソーシャルメディア利用とソーシャルサポート及びQOLの関係
修士論文 2014 健康の社会的決定要因をコントロールする能力としての批判的ヘルスリテラシー尺度の開発
2014 病院看護職員の他施設の働く環境への関心のあり方とワーク・エンゲイジメントとの関連
2012 保存期慢性腎臓病患者の塩分摂取量とヘルスリテラシー、情報源の関連

院生の声

  • 看護情報学研究室の特徴は2つ挙げたいと思います。1つ目は、毎週研究会が行われるという点です。研究は1人で行わなければなりませんが、だれかに教えてもらえるものではないので、わたしは手探りの中で迷ったり困ったり遠回りしたり、という毎日を送っています。そんな中、研究会は修士や博士の先輩方の研究を知る貴重な機会であり大事な学びの場となっています。2つ目は、「情報」をキーワードに様々な領域の人たちが集まってくるという点だと思います。共通項がありながら、バックグラウンドも活躍の場も多種多様です。分野を越えてディスカッションができ考える機会が得られるので、自分の視野も広がり、また深めることができると思います。 (修士) 
  • 「看護実践のエビデンスを作るための研究手法を学べる研究室」私は今、乳がん患者と医療者が活用できる意思決定支援ツールを開発し、その効果を検証するランダム化比較試験に取り組んでいます。看護のエビデンス蓄積には効果を検証する手法として研究デザインの知識、統計的知識が欠かせません。博士課程は自立した研究者になることが目標に挙げられ、自分で道を切り開く力をつける必要があります。その意欲と努力に応えるように様々な学習環境が整っているのがこの研究室だと思います。豊富な知識を持つ指導教授による指導はもちろん、研究会に集まる様々な領域で研究に取り組むメンバーからの質問やアドバイスは自分の研究を多角的にかつ客観的に捉えて洗練させる力を培う上で大変役立ちます。(博士)