教員・専門領域Faculty and Research

看護管理学

看護管理について、ナイチンゲールが看護覚え書に書いた一節を紹介します。「・・この覚書に細かく書いたような行き届いた看護をしていても、すべての成果が、一つの欠陥のために台なしになったり、あるいは全く無効となってしまうことがある。この欠陥とは、小管理上の欠陥、つまり自分がそこにいる時にやっていたことを、自分がいない時にも誰かがやってくれるようにするにはどうすればよいか、を知らないことである。」看護管理(Nursing Administration)とは、人々がそのなりの健康やQOLを維持向上していくことを目的として、多様な資源を用いて効果的に効率的に創造的に看護実践を行うことであり、またそうした看護実践が組織的に行われるよう環境を整えて看護職者を支援していくことです。広義には看護に関わる法・制度も含まれます。

看護管理があって初めて質の高い看護実践が生まれます。したがって全ての看護職者が看護管理学の基礎的知識を持っていることが大切です。

看護管理学の扱う領域は看護組織論、看護サービスマネジメント論、人的資源活用論、看護経営論、看護経済論、そして看護制度・政策論など広範囲にわたります。看護管理学の歴史はまだ浅く、企業とは異なる「看護」独自の管理理論の開発や体系化は始まったばかりです。また日本では地域包括ケアに向け社会保障制度改革が進められています。これからは地域を包括的にとらえ、看護職が果たす役割と看護管理のあり方を検討する視点も求められています。

研究室教員

  • 職名教授/Professor
  • 担当分野看護管理学
  • 職名助教/Assistant Professor
  • 担当分野看護管理学

活動紹介

看護管理学領域には教授の吉田、助教の倉岡の2人の教員がいます。前教授の井部学長も本領域の重要メンバーです。

【教育】学部教育では関心を持てわかりやすく視野の広がる授業を、大学院教育では社会情勢や看護実践の場の多様な現象に対して看護管理学の視点からの探求ができる授業をと考え協力して取り組んでいます。

【研究】教員それぞれがテーマを持ち科学研究費助成金などの外部資金を得て研究を進める一方で、学内外の研究者との共同研究にも加わり、看護管理学の新しい理論を開発する努力をしています。また、全員が「看護管理塾(通年)」「認定看護管理者ファーストレベルプログラム(8-9月)」「コンピテンシーを基盤とした看護管理者研修プログラム(6月-翌1月)」といった看護管理者を対象とした継続教育プログラム開発やその評価研究に参加し、現場の看護管理者との相互作用を通して、看護管理者として必要な能力は何か、それはどのような方法で開発されるのかについて継続的に探求しています。

【卒業生・修了生のプラットホーム】領域には修士課程、博士課程の大学院生が在籍しています。看護管理学に関するテーマで卒業研究をまとめた卒業生や歴代の修士・博士課程修了生がおり、病院や高齢者施設といった実践の場だけではなく、国を始めとする行政機関や日本看護協会などで看護管理学の専門知識を活かして活躍しています。1年に1回の同窓会では和気あいあいとした中で活発な情報交換が行われます。

【Journal Clab of Nursing Administration 】学生主体の英文献を用いた勉強会が1回/月開催されています。聖路加国際病院のナースマネジャーも参加し、新しい理論や知見について学び討議する場となっています。

【社会貢献活動】教員も大学院生も学会に所属し委員会活動を行うとともに、日本看護協会や都道府県看護協会などの委員、研修会講師を務めて、看護の質向上や看護管理学の普及に努力しています。

研究活動

教授の吉田は看護の継続、地域連携、看護倫理、看護組織文化などについて関心を持っています。現在は、これらに加えて看護管理者の能力開発に関して研究しています。助教の倉岡は胃瘻造設に伴う意思決定支援に関心を持ち、現在は看護師長の経験学習に関する研究に取り組んでいます。平成26年度の研究は、以下の通りです。

  • <吉田千文>
  • 文部科学省科学研究費補助金(基盤研究C)「地域包括的視点に基づく看護管理学の創出に向けたアクションリサーチ」研究代表者
  • 文部科学省科学研究費補助金(基盤研究C)「ケアマネジャーの経験するモラルディストレスの解明と支援プログラムの開発」分担研究者
  • 文部科学省科学研究費補助金(基盤研究C)「グローバル時代に高度看護実践を支える看護管理教育のありかた」分担研究者
  • 厚生労働科学研究費補助金「アウトリーチ型看護管理能力支援モデルの開発」共同研究者
  • <倉岡有美子>
  • 文部科学省科学研究費補助金(若手研究B)「胃瘻造設を検討する患者の家族の意思決定支援ガイドの普及と評価」研究代表者
  • 日本看護管理学会研究助成「看護師長を成長させた経験と経験から獲得した能力」
    井部俊子・吉田千文・倉岡有美子
  • 日本看護管理学会教育委員会(委員長 井部俊子)「コンピテンシーを基盤とした看護管理者研修プログラムの開発と評価」

教育活動

看護管理学領域には教授の吉田、助教の倉岡の2人の教員がいます。前教授の井部学長も本領域の重要メンバーです。

【教育】学部教育では関心を持てわかりやすく視野の広がる授業を、大学院教育では社会情勢や看護実践の場の多様な現象に対して看護管理学の視点からの探求ができる授業をと考え協力して取り組んでいます。

【研究】教員それぞれがテーマを持ち科学研究費助成金などの外部資金を得て研究を進める一方で、学内外の研究者との共同研究にも加わり、看護管理学の新しい理論を開発する努力をしています。また、全員が「看護管理塾(通年)」「認定看護管理者ファーストレベルプログラム(8-9月)」「コンピテンシーを基盤とした看護管理者研修プログラム(6月-翌1月)」といった看護管理者を対象とした継続教育プログラム開発やその評価研究に参加し、現場の看護管理者との相互作用を通して、看護管理者として必要な能力は何か、それはどのような方法で開発されるのかについて継続的に探求しています。

【卒業生・修了生のプラットホーム】領域には修士課程、博士課程の大学院生が在籍しています。看護管理学に関するテーマで卒業研究をまとめた卒業生や歴代の修士・博士課程修了生がおり、病院や高齢者施設といった実践の場だけではなく、国を始めとする行政機関や日本看護協会などで看護管理学の専門知識を活かして活躍しています。1年に1回の同窓会では和気あいあいとした中で活発な情報交換が行われます。

【Journal Clab of Nursing Administration 】学生主体の英文献を用いた勉強会が1回/月開催されています。聖路加国際病院のナースマネジャーも参加し、新しい理論や知見について学び討議する場となっています。

【社会貢献活動】教員も大学院生も学会に所属し委員会活動を行うとともに、日本看護協会や都道府県看護協会などの委員、研修会講師を務めて、看護の質向上や看護管理学の普及に努力しています。

社会貢献活動

教員は日本看護管理学会を含む看護管理学関連の学会に所属し理事としてまた、委員会の委員として学術の推進、継続教育の開発のために多方面の貢献をしています。2014年度の特記すべき活動を紹介します。日本看護管理学会教育委員会「コンピテンシーを基盤とした看護管理者研修プログラム」:3年目までの若手看護師長を対象にした看護管理者教育プログラムを開発、実施し、プログラムの効果を測定するための評価研究に取り組んでいます。日本赤十字看護学会臨床看護実践開発事業委員会では、小冊子「シリーズ認知症高齢者の世界」の作成に取り組んでいます。2014年は、「お風呂を嫌がる認知症高齢者にはなにが起こっているのか」を作成し、一般市民、介護福祉士、看護師などに配布しました。教授の吉田は、学術集会長として千葉看護学会第20回学術集会(テーマ「イノベーションー今こそ現場を動かそう」)を実施しました。
教員は日本看護協会や都道府県看護協会、日本訪問看護事業協会などの職能団体の委員や研修講師を担っています。

過去5年間の修士/博士学位 論文テーマ

修了年度 論文テーマ
修士論文 2014 「看護職員配置の病棟内掲示」という情報提供が実践の場に及ぼした影響に関する研究
2014 慢性疾患のある患児に長期に付き添う母親と看護師の関係性に関する研究
2013 入院患者による看護師への「質問」の意図と影響要因
2013 看護師の「勤務表文化」の実態に関する研究
2012 病院職員の医療安全文化醸成に影響を及ぼす要因に関する研究
2012 急性期病院の中堅看護師が「いきいきと働く」体験に関する記述的研究
2012 スタッフナースと看護部長の組織的距離と情動的組織コミットメントに関する研究
2011 患者の認知にもとづく看護サービスの質評価に関する研究
2011 看護部長の人材マネジメント施策と看護実践環境の関連構造に関する探索的研究
2011 訪問看護ステーションにおける褥瘡ケアコンサルテーション活用のための課題
2010 看護職の看護政策への参加に関する方略の検討ー平成20年度診療報酬改定における看護関連項目の認識に関する調査を通してー
2010 日本の看護師が看護管理者から受ける承認行為に関する項目の精選
博士論文 2014 第1子を迎える夫婦が互いに期待する役割遂行のためのプログラムの開発と評価
2014 病棟における看護職のチーム・エンパワーメントモデルの構築
2013 がん看護における協働的コンサルテーション尺度の開発
2013 他分野の学士号を持つ看護学生の特性と学習に関する研究
2012 新卒看護師の「やめたい気持ち」に関する縦断的研究
2011 訪問看護師が呼吸のフィジカルアセスメント技術を活用するための学習支援プログラムの開発

院生の声

「看護管理学特論」では、管理に関わる知識や理論を網羅的に学びます。他分野を専攻する院生も共に学習するので、看護管理学を考える上で不可欠である多様な価値観に触れ、新たな視点を得ることも多いです。「看護管理学演習」では、より専門的な知識を深めます。自分の興味や問題意識に焦点化した内容を、演習方法も含め主体的に計画・履修ができます。研究室の先生方は常に協力的であり、院生を学生であると同時に、キャリアや経験を持つ一人の看護職として尊重してくださる点が、非常に魅力的です。毎月、英論文の抄読会を開催しており、研究室メンバーだけでなく、卒業生や聖路加国際病院の現任の看護管理者も参加し、活発な意見交換をしています。本学の看護管理学の同窓生には、看護界を牽引されている方が多くいらっしゃいます。医療施設や教育機関にとどまらず、行政機関や各種団体等、その活躍の場が幅広いことも特徴的です。年一回の研究室の同窓会では、こうした先輩方から直接刺激を受けることもできます。医療の質の担保やその評価、より良い看護実践のための資源の有効活用、社会の中で看護という仕事が持つ意味や責務は何かといった内容まで、看護管理学で扱う内容は多岐にわたりますが、そのどれもが看護を提供することの本質を問いかけるものです。対象者や看護職個人だけでなく、看護が展開される組織や集団、社会までを包括的に捉える点が、看護管理学の面白さの一つだと、私は考えています。