教員・専門領域Faculty and Research

国際看護学

国際看護とは、世界の人々のよりよい健康維持・改善のために、グローバルヘルスの課題を学び、看護職者として、科学的根拠に基づく研究や活動を行います。新たな国連の目標であるSustainable development goalsを軸に、母子保健、感染症、慢性疾患、ユニバーサルヘルスカバレッジ、環境問題などについて学びます。海外へのフィールドワーク、インターンシップを通して、グローバルヘルスの課題に対して貢献する研究能力やリーダーシップの技術を磨きます。WHOなどの国際機関や政府機関、NGO、JICA、アカデミアなどで活躍するグローバルヘルスリーダーを育成します。

研究室教員

  • 職名教授/Professor
  • 担当分野国際看護学
  • 職名准教授/Associate Professor
  • 担当分野国際看護学

活動紹介

大学院生や教員の研究経過報告や看護実践報告等を行う場として、定期的に国際看護ゼミを開催しています。学部生や学外の方の参加も歓迎いたします。また、学内外の学生や看護職にむけて、国際看護に関連する様々な講演会を開催しています。2014年には、青年海外協力隊(JOCV)隊員、ネパールで医療活動を行う日本人医師、米国疾病予防管理センター(CDC)看護研究員による講演を行いました。

研究活動

開発途上国の人々の健康に資する研究、世界的に重要だと思われる健康問題に関する研究、在外邦人や在日外国人の健康問題などを主な研究課題とします。とくに開発途上国の人材育成に力を入れます。また、近年の開発途上国では、感染症や母子保健の問題が改善されつつある一方で、急速な環境汚染や生活習慣病、とくに医療費が嵩むために治療が受けにくい悪性疾患のケアが新たな課題となり、持続可能な環境を維持しながら、限られた医療資源を活用して効果的に悪性疾患のケアを行うシステム作りが必要とされています。そこで、ヘルスサービスに最もアクセスの悪い人々を対象とする悪性疾患の予防とケアに関する研究を行います。すでに、アジアで急増するアスベストによる悪性疾患のケアと看護人財育成について、英国、米国、韓国、台湾、タイ、インドネシアと共同研究を開始しています。

教育活動

学部生、大学院生(修士課程・博士課程)への教育を行っています。 大学院修士課程では、2015年4月より公衆衛生看護学上級実践コース(保健師国家試験受験資格取得)を開講し、高度専門職業人として実践の場でリーダーシップをとれる人材の育成を目指します。

  • 学部
    1年次に国際看護学概論(選択)で、国際看護の理論や活動の実際を学びます。4年生には選択で、看護ゼミナール、総合実習、総合看護(卒業論文)を実施しています。看護ゼミナールでは、在日外国人の健康問題を取り上げることで異なる文化、宗教、言語を有する人々への健康支援について理解を深めます。国際看護実習では、結核研究所とWHO西太平洋事務局のご協力で、マニラのスラム地区や、カトマンズの貧困地区で実習において、英語と現地語を用いて現地スタッフや住民とともに看護活動を展開し、文化や宗教を超えて人々と共に生きる喜びを実体験します。実習参加生で、実習地で調査を行い、卒業論文を作成する者は、その成果を学会で発表します。このように、ゼミナール、実習、卒業研究と一貫した国際看護教育を行うことにより、東ティモール、ザンビア、ネパール、パラグアイ、イギリス、オーストラリアなどで活躍する卒業生を輩出しています。
  • 大学院
    開発途上国の人々や在日外国人の健康に資する実践活動と研究を合わせてできる人材育成を目指しています。外国人留学生の指導も積極的に行います。その際、コミュニティレベルでのフィールドワークを重視します。研究にあたり、コロンビア大学国際看護名誉教授であるRichard Garfield教授による研究コンサルテーションをうけることができます。研究成果は国際誌への投稿を促しています。

社会貢献活動

  1. 過去数十年に定住した在日外国人が、中高年にさしかかり、生活習慣病のリスクを抱えるようになりました。そこで、在日外国人コミュニティと協力して、健康支援活動を行います。この活動は、本学4年生の選択科目「看護ゼミナール」にも取り入れられています。
  2. 将来、国際保健や看護に従事したいと考える医学生や看護学生を支援するため、日本国際保健医療学会学生部会のサポーターをしています。
  3. 近年アジアで急増しているアスベスト疾患のケアについて、国内外を問わずに支援を行っています。2014年には、韓国の医師と看護師向けに教育講演を行いました。

過去の修士/博士学位 論文テーマ

修了年度 論文テーマ
2012 Simulation-based Continuing Education Acute-care Nursing Workshop Evaluation by Nurses in Urban Areas of Bangladeshu
2011 日本におけるムスリム女性の妊娠・出産体験と周産期ケアニーズ
2011 インドネシア西ジャワ州の都市におけるII型糖尿病女性の食生活
2010 台湾における看護基礎教育課程教員の災害看護教育活動と課題認識
2009 A Study of Determinants of Intention to Stay among Kenyan Nurses
2009 タンザニア連合共和国都市にあるセカンダリースクールに通う男子学生のHIV/AIDSに関する知識と態度