2022年度学位授与式 看護学部長 祝辞(2023年3月10日)
看護学部長 吉田 俊子
看護学部を卒業される124名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、今日まで学生を物心両面で支えてこられた、ご家族の皆さまに心よりお喜びを申し上げます。
皆さんの学生生活は、新型コロナウィルス感染症のパンデミックの影響を受け、様々な課題と向き合い、挑戦し続ける日々であったと思います。大きな糧を得た実感もある反面、自分の力がついているのか不安になる方もいらっしゃるのではと思います。
皆さんは、聖路加の学びを通して、「知と感性と愛のアート」である看護、エビデンスに基づいた看護実践、キリスト教精神に基づく隣人愛、常に相手を思う心を深く学ばれました。
聖路加での学びは、皆さんのこれからの歩みの礎です。卒業時の今は、その礎がどのように自分の中にあるのか、不確かに感じるかもしれません。しかし、歩みを進めていくと、自分の中にある礎を感じる時が必ず来ると思います。
看護は、人々の健康に働きかけ、生活を支え、寄り添い、人々や地域、社会に変革をもたらす力を持っています。聖路加国際大学を卒業される皆さんには、これからの社会を牽引していく看護職として、時代や社会を見据えて看護の可能性を引き出す挑戦を続けていってほしいと思います。看護は何を行うべきか、何ができるのかを常に考え、実践することを大切にして挑戦を続けてほしいと思います。
大学の卒業は、あくまで看護職としてのスタートラインにたったにすぎません。これからの歩みの前には、様々な課題が起こってくるでしょう。しかし、自分の目の前にくる山には必然があり、課題に向き合う課程に必ず成長の意味があります。
一所懸命がんばってもできなかったことは、そこに成長の糧があります。がんばった自分を認め、次の課題を見つける気持ちで、果敢に歩みを進めてほしいと思います。
学び続けることは、人としての根幹にあるものです。学び続ける先に、きっと将来、もっと深めたい、という探究への思いが湧いてくると思います。その思いはあらたな挑戦につながっていくと思います。
そして、皆さんには大学で得た大切な宝物があります。大学で供に学んだ仲間は、かけがえのない存在です。楽しさや困難も分かち合って、共に人生を豊かにしていく仲間です。皆さん自身が人生を豊かにすることは、必ずよいケアにつながっていきます。ともにケアを育む仲間を大切にしていってください。
皆さんは、今、まさに、生涯を通じて学び続ける看護職のスタートラインにしっかり立たれました。聖路加で得た多くの学びと宝物を持って、皆さんが看護職としての豊かな人生を歩まれていくことを、祈念いたしております。