2022年度学位授与式 看護学部卒業生代表 答礼のことば(2023年3月10日)
看護学部 石井幸乃
日を追うごとに暖かさを増し、蕾の膨らみに春の訪れを感じる季節となりました。
本日は、私たち卒業生のために学位授与式の場を設けていただき、誠にありがとうございます。また、堀内学長はじめ、諸先生方、職員の方々、ならびに卒業式映像をご覧になっている保護者の皆さまのご臨席を賜り、卒業生一同、心より感謝申し上げます。
四年前、私たちは目指す将来像への一歩を踏み出し、期待と不安を胸に聖路加国際大学の門をたたきました。四年間は瞬く間に過ぎたように感じます。しかし、知識の詰め込みではない、本物に触れ、本質を考える先生方の授業や、クラスメイトとの数々のグループワーク、友人とアドバイスしあった看護技術練習の時間など、全てが看護師の基礎を築く貴重な時間でした。
一方、私たちが二年に進級するタイミングで、COVID-19の世界的流行が始まりました。それにより、「大学に通って授業を受ける」、「アーツルームで技術の練習をする」、「病棟で実習する」などといった、看護学生として当たり前であったことが当たり前ではなくなりました。しかし、そのような状況の中でも、先生方や職員の方が、多方面で学習環境を整え、学生に親身に寄り添ってくださいました。また、領域別実習や総合実習などでは臨地、学内、オンライン実習を組み合わせ、患者さんを看護する貴重な機会をいただきました。様々な方法を用いて、学業を修めることができたのは、多くの方々に支えていただいたおかげです。医療現場が逼迫する中でご協力いただいた病院職員の皆さま、実習生を快く受け入れてくださった患者さん、そして大学生活を見守り支えてくれた家族のおかげで、私たちは恵まれ、学びが継続されました。
ルドルフ・トイスラー先生は、「最善をつくせ、しかも一流であれ」という言葉を残してくださいました。四年間の学生生活は、多くの方々に支えられ、この時代における最善の学びとなりました。私たちは卒業後、臨床で働く人、さらなる学びを追求する人、それぞれの場で新しい看護師としてのキャリアを始めます。健康は誰もが持つものであり、対象とする人の数だけ正解があると本学で学びました。次は、私たち一人ひとりが医療チームの一員として、最善を追い求める立場となります。現状に満足するのではなく、場面に合わせ、多方面から最善を考え、より良い看護を探求する専門職者として邁進してまいります。これが、この時期に聖路加で学んだ私たちの強みであり、組織や社会に還元できる力であると考えております。
改めまして、私たちを支えてくださった諸先生方、職員の方々、家族、お世話になった皆さまのおかげで、私たちは、本日、聖路加の卒業生として大きな一歩を踏み出すことができました。卒業生一同、心より御礼申し上げます。最後になりましたが、皆さまの一層のご活躍と聖路加国際大学のさらなるご発展をお祈り申し上げ、答礼のことばとさせていただきます。
令和五年三月十日
卒業生代表 石井 幸乃